小湊ディーゼル、自然の風景と共に

小湊ディーゼル、自然の風景と共に

 小湊鐵道の車窓から見えるのはどこか懐かしく感じるのどかな風景。そこには四季折々の自然が手に触れるほど近くに、そして遠くに広がっている。列車が停まる無人駅舎は大正時代からの木造建築。古いものを維持するのは費用がかさむが、金額には代えられない価値があると小湊鐵道株式會社取締役社長、石川晋平さん(41)は言う。
 養老渓谷にあるアートハウスあそうばらの谷で12月半ばまで『ヒグラシユウイチ 記憶/Memory』展が開催された。小湊鐵道の駅舎にはヒグラシさんの石の彫刻が納められている。11月16日、ヒグラシさんの作品解説後、石川さんによる『駅舎ものがたり』と題したギャラリートークが行われた。設立当初の各駅舎の写真や設計図などのスライドを交えて小湊鐵道の歴史と現状、これからについて語った。「人はもともと自然の中にあるもの。手入れされた里山は人と自然が共存できる場所です。その周りには川の道、鐵道の道、車の道、人の道、時間軸としての道など様々な道があり、それらの交差点にあるのが駅。人々の交流の場であるという駅舎本来の役割を充実させたい」と話す。実際、里見駅には地元住民が始めた駅喫茶があり、他駅周辺にもギャラリーなどが存在していて人が集う場所となっている。
 また、「10以上のボランティア団体が沿線周辺の草刈りや掃除をしてくれています。『勝手連』と称して小湊鐵道側に要求は一切してこない。ありがたいですね」と石川さん。11月24日から12月27日まで行われる上総牛久駅から養老渓谷駅間でのイルミネーションの飾り付けも地元の人々の手によるもの。他線では考えられない線路ギリギリのラインまでのライトアップは乗客の目を楽しませてくれる。
 現在の現役車両は昭和36年から52年製の14台。平成に入ってからの利用者は6割減だという経営状態だが、大正6年に物資の運搬から始まり96年間走り続けている、地域が主役の地元に愛される鐵道。古き良きものを大切にしつつ前へ進む、その先にあるものは石川さんが目指す『懐かしい未来』だ。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  御宿町・日墨友好文化大使のヴァイオリニスト・黒沼ユリ子さん(81歳・御宿町在住)が、小学校時の図工の恩師であるイラストレーター・大西三朗さ…
  2. いつものにぎやかな音楽が聴こえると、それは移動販売車ピース号が来た合図。食品や日用品などを乗せて、週に1度、決まった場所へ決まった時間にやっ…
  3.  1945年8月15日の終戦の日、連合国軍機と交戦し墜落したとみられる零戦の機銃が、今年1月、大多喜町で発見された。遺族の依頼を受けた有志の…
  4.  日本の伝統文化として海外でも興味関心の高い折り紙。必ず一度は折ったことがあるだろう。一年の延期を経て今夏開催された東京オリンピックで、来日…
  5. メヒコの衝撃─メキシコ体験は日本の根底を揺さぶる 9月26日(日)まで 市原湖畔美術館  メキシコのスペインによる征服から500年、独立…
  6.  世の中、理不尽なことがたくさん起こりますが、それをどう捉えるかで人生の行く道が変わることがあります。目の前で起こっている理不尽なことは、今…
  7.  ボランティア団体『桜さんさん会』は今年4月23日、東京の憲政記念会館で開催された『第15回みどりの式典』で緑化推進運動功労者内閣総理大臣表…
  8. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  御宿町・日墨友好文化大使のヴァイオリニスト・黒沼ユリ子さん(81歳・御宿町在住)が、小学校時の図工の恩師であるイラストレーター・大西三朗さ…

おすすめ商品

  1. SG-507 ユネスコ世界遺産 フィルム 名入れカレンダー

    世界の自然や遺跡を厳選 – 豪華版・ユネスコ世界遺産シリーズ 1-2月/マチュ・ピチュの歴史保護区…
  2. TD-288 卓上L・大吉招福ごよみ・金運 名入れカレンダー

    金運の黄色と金箔「金運上昇八卦鏡」のW効果!驚異の金運力!金運上昇八卦鏡。 風水で八卦鏡とは、邪悪…
  3. SG-951 卓上 デスクスタンド文字(SB-324)名入れカレンダー

    【人気商品】卓上名入れカレンダーの超ヒット商品! 高級感が漂うシンプルデザイン。重量感のある厚紙を…
  4. SB-103 金澤翔子作品集 名入れカレンダー

    気鋭の書家、金澤翔子さんによる書下ろし作品集。 先天性の障がいを持って生まれた少女が書と出会い、才…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る