『妖怪ピクニック』

みんなで妖怪になって食べたのは?

 5月11日で幕を閉じた『中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックス』。期間中、各会場で賑わいをみせていたが、『内田未来楽校(旧内田小学校)』でも4月20日(日)に、大成哲雄さんによるワークショップ『妖怪ピクニック』が開催された。
 大成さんは、室町時代の絵巻物『百鬼夜行絵巻』の現代版、『内田百鬼夜行』を展示。忘れ去られたものが妖怪と化す絵巻にちなみ、地域の方とコミュニケーションを取りながら、今では使われなくなったものを集め過去と未来をつなぐプロジェクトを展開。
 ワークショップが行われた日は、裏庭に廃材などを利用し、和風の広場で一風変わったピクニックが開催された。地元のお年寄りを招き、大成さんと『米沢の森を守る会』のみなさんが中心となり、訪れた観光客と一緒に『とっどせ』とよばれる鶏雑炊を作った。「守る会の方に相談したところ、古くからこの地域に伝わる食事をみんなで作ることで、交流が生まれ、いろいろな話ができるんじゃないかと考えました」と大成さん。今ではすたれてしまったとっどせだが、三和地区や市津地区で三夜様(ひやり様)講の際に作られた料理で、男性が鶏を1羽つぶして作った雑炊だ。完成した雑炊を男性が仮装をして、女性が集まる場所に持って行くなど、とても楽しいイベントだったという。この日招待されたお年寄りの中には、実際に経験した方もいた。
 守る会代表の鶴岡さんは、「ピクニックをしながらこの地域を知ってもらいたい。このイベントが終わったら終わりではなく、これからも何かの形で続けていくことが大事」と話してくれた。今後の活動にも期待したい。

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