自然素材でつくる独創的な世界

 海、山、山野草などの自然が大好き。そんな八嶋とき子さん(79)(市原市在住)の作品は貝殻や木の実などの自然素材でつくる様々な『空想花』。サクラガイからウニ、ホラガイ、ヘビガイまで種々の貝殻を形や大きさによって、重ねて花びらに、並べて葉脈を表現、また花を生けるボトル部分の装飾に使うこともある。食べたメロンやカボチャの種は絵の具で着色し、何十個もの花びらへと形を変える。花芯に顔を覗かせているのはカラマツの小さな松かさ。他にも身近にあるドングリやヒノキの実、クルミの殻など80種類以上もの自然素材をふんだんに使用している。着色せずに天然の色をそのまま生かす場合もある。中でも色とりどりのヒオウギガイはとても美しい。
「砂浜を歩き、貝殻を拾うことが幸せでした」貝拾いを始めたのは昭和40年頃から。ものを作るためではなかった。北海道、沖縄県、神奈川県の葉山町からグアムのココス島まで、亡くなったご主人と毎年海に行くたびに貝殻を拾い集めた。千葉県内では富津市や館山市に行くことが多かったという。「拾い集めたもので何か作れないかな」何となくそう思ったのが作品を作り出したきっかけ。多くの数が必要となるので「潮の流れに乗って漂着した貝殻を一生懸命に拾って歩きました」と振り返る。流木やサンゴの屑、藻など、一見ゴミにしか見えないようなものも一緒に集め、作品のパーツとして生命を吹き込む。
 平成9年にはその独創的な手工芸法から八嶋流萬形華として特許を取得、家元となった。『萬形華』は知人が命名してくれたもので『様々なもので形づくられた華』という意味だそう。平成4年にJR姉ケ崎駅の市民ギャラリーで約30点の『空想花』を展示、平成19、21年には市原市老人クラブ連合会作品展で市長賞を受賞。作品は全て写真に納め、出展した作品には「捨ててしまえば只の種/手を掛ければこんなにカワイイ花に/解説がなければ誰も梅干の種とは思はないでしょう」といったコメントと材料名を添えて大切にアルバムにしまってある。八嶋さんの生み出す独自の世界には無限の美しさが広がる。また新たな作品に期待したい。(礒川)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  日没後に花が咲き、翌朝になると萎む1日花の月見草。御宿海岸の『月の沙漠記念公園』の一角では、大きめの黄色い花が咲くオオマツヨイグサが、毎…
  2. 「人生100年時代、どうやったら幸福な終活の日々を送れるのか。そのひとつとして、ヨーロッパで人気の体験・滞在型農園の菜園版的な、交流できる…
  3.  平成22年度から毎年、千葉県内各地で公演を行っている『おやこ de オペラ』。年齢制限を設けず0歳の子どもから入場でき、子どもたちが舞台に…
  4.  最近、市原市内の小湊鐡道沿線で、白と緑色の気動車が走っているのをご存じでしょうか。  この車両は、キハ40といい、小湊鐡道が2020年に…
  5.  夏鳥として本州以南にオーストラリアなどから渡って来るコアジサシ。全長26㎝程、体と尾は白色で、背と翼上面はうすい灰色、頭部はヘルメットをか…
  6.  とうとうアロエベラを買ってしまいました。ずっと気になっていた植物のひとつで、いつかは欲しいと思っていたアロエの仲間です。昔はどこの家庭にも…
  7.   富里市七栄にある国登録有形文化財『旧岩崎家末廣(すえひろ)別邸』。ここは三菱財閥の創業者一族、三菱グループ第3代社長・岩崎久彌(ひさや)…
  8.  大多喜ハーブガーデンで毎年開催される『ストーンサファリ』。2018年の第1回から好評で、回を重ねるごとに出展数も来場者も増えている。第6回…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  日没後に花が咲き、翌朝になると萎む1日花の月見草。御宿海岸の『月の沙漠記念公園』の一角では、大きめの黄色い花が咲くオオマツヨイグサが、毎…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る