「生きとし生けるものの健康と幸せを願って」

オーガニックライフスタイル・ジャーナリスト
吉度日央里(よしど・ひをり)さん

 茂原市在住の吉度日央里さん(54)が、昨春、『カラダにやさしい自然の手当て法』(PARCO出版)を著した。今から25年ほど前から、マクロビオティック指導者の尾形妃樺怜(ひかり)さん、大森一慧(かずえ)さんに師事し、手当て法を学んだ吉度さん。勤務していた出版社を退社後、フリー編集者として『一慧の穀菜食BOOK・手当て法』(大森一慧著)、『美人のレシピ』(山村慎一郎著・中島デコ料理)、『発酵道』(寺田啓佐著)等、数々のオーガニック系書籍の編集を手がけ、『種まき大作戦』(サンマーク出版)、『かんたん! 部屋で野菜をつくる』(同)の著書もある。前述の手当て法の本は、吉度さんが長年マクロビオティック(以降、マクロビと略)に関わり、多くの指導者から学んだ事柄に自身や仲間の体験を加えて書かれた、いわば集大成である。
 静岡県沼津市で生まれ育った吉度さんは青山学院大学を卒業後、主婦と生活社に入社した。26歳で結婚し、29歳の時に出産するが、生まれた男児はアトピー性皮膚炎に。そんな時、叔母がマクロビを実践しているという沼津市に住む知人を紹介してくれた。これが吉度さんのマクロビとの出会いとなる。けれど、食事を変えても簡単にはよくなっていかなかった。「子どもが生まれた翌春から保育園に預け、仕事に復帰したいと焦っていました。おおらかに子育てをする余裕がなく、子どものアレルギーを治さなくてはというストレスから母乳の質も悪くなり、どんどん状態は悪くなっていきました。子どもが一番苦しいのに、自分は不幸だと思いこみ、ほとんどノイローゼのようになりました。それで、沼津へ里帰りしたのです」
実家でも皮膚炎は悪化した上に下痢もひどくなり、入院することに。医者からは1歳まで生きられないだろうと宣告され、「奈落の底へ突き落とされた気分でした」。幸いなことに1カ月で退院。その後、マクロビを続ける吉度さんの努力が功を成し、2歳になる頃には息子さんのアトピー性皮膚炎は収まった。しかし、今度は喘息の発作を起こすようになった。マクロビの料理と並行して、「何か症状が出ている時に薬に頼らず、大根や蓮根など台所にあるもので症状を楽にする」手当て法を習得してきたので、息子さんに手当て法を施し、発作を緩和することができた。以来、3人の息子をマクロビの食事で育て、手当て法でケアしてきた。
「今にして思えば、長男のアレルギーは自分の食事が原因だった。グルメ担当の編集部にいたので、連日、高たんぱく高脂肪の食事にスイーツを食べ、私の身体は絶不調でした」とキャリアウーマン時代を振り返る。それがマクロビオティックの食事をとり、手当て法で対処すると「心身共にビックリするほど楽になった。健康になった自分の身体の変化に幸せな気持ちになり、陰陽理論(マクロビの哲学。この世のものは全て必ず相反する2つの側面を持っているという古代中国に端を発する思想)が面白くて、気がついたら子どもも良くなっていました」
ちなみに次男と三男は、自宅分娩。日々の暮らしはマクロビと手当て法に徹する吉度さんは、子どもの教育にも自身の信念を貫いた。学校教育に疑問を持ち、学校や学習塾に頼るのでなく皆で自主保育をと、子どもが小学校に上がる前に同じ考えの母親達と『大地の子』を立ち上げ、活動を始めた。「船橋市運動公園と市内の畑に毎週各1回、マクロビのお弁当やおやつを持ち寄り、親子で集まりました。野外で野草の天ぷらを食べる会や、ヨモギを摘んで草もちを作って食べる会なども開きました」と話す。長男は幼稚園に1年通い、小学校へは2週間だけ通った。次男は学校へは全く通わなかった。三男は中学2年から高校3年まで通った。3人とも学校へ行かなかった時期は、ホームエディケーションの仲間と、千葉公園を拠点にして活動していた。ホームエディケーションとはホームスクーリングともいい、欧米では市民権を得ている家庭を軸とした教育の在り方だ。現在、三男は、原発事故後に理系の大学に進み自然エネルギーの研究をしたいと信州大学に進学し、長男はミュージシャンとして活動する傍ら、ARTEという若者たちで社会をよくしようとする活動で国会議員などにインタビューして動画をアップしたり、吉度さんが共同代表を務める『ちばレボ』(選挙で日本を変えたい市民の会・千葉)のメンバーにもなっている。
執筆活動の合間を縫って国内外から依頼を受け、マクロビオティックの料理教室や手当て法の講座、ホームエディケーション、放射線対策の講演会を行っている吉度さん。地元千葉では、稲毛海岸の『カフェどんぐりの木』や大網白里市の『カフェリズム』、茂原市の二宮福祉センター等でも定期的に教室を開き、鴨川でマクロビ合宿も開催している。『放射能に打ち勝つ食事と手当て法を全国に広める会』の代表や『子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク』の運営スタッフも務める多忙な日々を送る。今後の目標はと尋ねると、「生きとし生けるものの健康と幸せです。人間だけでなく動物も植物も地球も健康になって、幸せに生きられるようになることが、私の心から叶えたいことであり、自分が一生かけて取り組んでいくべきことだと認識しています」と話した。

問合せ 吉度さん
TEL 0475・34・8175

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  茂原市の小学生男子ソフトボールチーム『茂原SBC』は4月、茨城県で開催された第32回関東小学生男・女選抜ソフトボール大会で初優勝を飾った。…
  2.  10月25日(火)、東金市家徳公民館にて第2回『通いの場 元気ステーションまさき』が開催された。主催の『正気地区介護予防・生活支援サービス…
  3.  再び小屋作りに夢中になっています。前回は物置小屋作りで、今回、最初のうちはゲストハウスを作る予定でしたが、いつの間にやらその意識が薄れてし…
  4.  最近は本格的に寒くなってきましたね。こうなるとキノコ狩りのシーズンも終わり。今年はバカマツタケに出会えなかったな~とか、シカが食べちゃった…
  5.  高齢化社会やコロナ禍など、私たちの生活で薬局の果たす役割は日々増している。昨年6月、市原市辰巳台東5丁目にオープンした『みつば薬局 辰巳東…
  6.  10月16日(日)、青葉の森公園芸術文化ホールで、伝統文化への興味関心を喚起し日常の中で身近に触れることを目指し「和紙角あんどんづくり」の…
  7.  市原市平蔵にある『集い広場へいさん』は、児童数の減少で2016年に閉校になった旧平三小学校の施設を利用した交流の場。教室、体育館、グラウン…
  8.  顔から腹、足や目が鮮やかな赤色で、背が茶褐色の可愛らしい全長23㎝程の鳥。生息地は主に水田などの湿地、泥地。長い指で泥に脚をとられず自由に…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  茂原市の小学生男子ソフトボールチーム『茂原SBC』は4月、茨城県で開催された第32回関東小学生男・女選抜ソフトボール大会で初優勝を飾った。…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る