夏休みふとん山で遊ぶゾウ!

 100枚近くあるふとんの山を登ったり滑ったり。東日本大震災後の2012年に福島県立美術館で開催されたほか、世界各地で多くの子どもたちを笑顔にした作品『あなたが誰か好きなように誰もが誰かを好き』が市原市にやって来た。9月23日まで市原湖畔美術館で美術家・小沢剛さんの『ゾウ館長からの夏休みのしゅくだい』が開かれている。
 宿題を出すのは名誉館長に就任した市原ぞうの国に住むゾウの『ゆめ花』。ゾウ館長の表示に案内され、足を踏み入れるとニンジン、ゴボウ、サンマや竹輪などの食材でできた武器を構える世界各国の女性のポートレート『ベジタブル・ウェポン』が目に飛び込む。撮影に使われた食材を使い、モデルの女性が家族や友人と自国の料理を作り食事をする映像も流れ、「野菜の武器でいったいなにができるの?」という問いが出される。
 館長は自らモデルを務めた新作『ベジタブル・ウェポン‐ゆめ花のおやつ/千葉』を館長室に展示。原子力エネルギー啓発の児童画コンクールに入賞した作品を再現し、学校で撮影した『ポスターの写真』では「終わらないしゅくだいってなに?」と問いかける。
 地下1階の吹き抜けの展示室では「知らない子のことは関係ない?」、「誰かが誰かを好きっていう、愛のやじるしが世界中に存在しているって、かんがえたことあるかな?」との問い。
 富士山を思わせるふとん山の頂上にはポストがあり、好きな人の絵を描きカードを投函すると世界の誰かとつながれる。同館の学芸員渡辺文菜さんは「オープン以来週末を中心に、子どもたちは大人の予想を超える動きをして遊んでいます。展示工事を頼んだ地元の大工さんも楽しそうにお仕事をされていました」と話す。長い会期を終えるとふとんはボロボロ、毎回新調しているそうだ。会場出口にある野菜のスタンプを使い自分だけのベジタブル・ウェポンを作るコーナーが人気。
 平日の美術館を訪ねると埼玉から来た男女のグループが「六本木ヒルズにある森美術館で現代アートを見て興味を持った」と小沢ワールドを楽しんでいた。イベントの詳細を問い合わせていた市内古敷谷に住む韓国人女性は「東京に行かなくても一流のアートに触れられ嬉しい」と語った。
 大人たちが起こした戦争や原発事故。過激な言葉や行動ではなく、日常を少し違う視点で見せるアートの力でゆるやかに訴える小沢さん。子どもたちの未来のため大人に投げかけられた宿題も考えてみたい。
 会期中は小沢さんを講師に紙袋を使ったワークショップ『ふくろの国、ゾウの国』(8月2日(日)親子対象 要予約)ほかユニークな関連イベントを開催。ウェブサイトをチェックしてみよう。入館料600円、65歳以上・大高生500円、中学生以下無料 休館日月曜日(祝日は翌平日)。

問合せ 市原湖畔美術館
TEL 0436・98・1525

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