日本の伝統芸能、和の響きを楽しむ

 3月6日、五井会館で『邦楽のつどい』が開催され、約30人が日本の伝統芸能を鑑賞した。35年ほど続いている同つどいは小唄端唄(はうた)教室『寿美(としみ)会』門下生の発表の場。外部からの参加もあり、邦楽のよさを広く伝えようと毎年2回開かれている。
 小唄はもともと江戸時代の芸者が、四畳半の和室で三味線を爪弾きしながら客に向けて唄っていたもの。情緒あるゆっくりとした節回しで静かに唄う。心に秘めた男女間の思いを表現したものも多く、艶っぽさと物悲しげな雰囲気が聴く人の心を打つ。一方、端唄は小唄よりも賑やかで、三味線にはバチを用い太鼓が加わることもある。
 同つどいでは小唄、端唄を中心に民謡なども含め約40曲もの邦楽が披露された。小唄を一緒に口ずさむ人、おこさ節や直実節では威勢のいい手拍子がかかり、『大和家一座』の都々逸(どどいつ)が始まると「待ってました!」と客席から合いの手が。迫力のある節回しと「よっ!」、「こりゃこりゃ」と粋な掛け声に大きく盛り上がる場面も見られた。来場していた男性は「邦楽を聴ける場所はそうない。いつも楽しみにしている」と話した。「自分もいつかやってみたい」と毎年足を運ぶ女性も。
『寿美会』には小5から80代までの約15名が所属。光風台と池和田の教室での個人レッスンが基本。「邦楽は味がある」、「三味線は静かに楽しむことのできる楽器。1人でも家でお茶を飲みながら弾いてます」と門下生。「何にでも挑戦することは大事。三味線は両手の指先を使い、楽譜を読むので頭も使う。続けていれば、ずっと元気でいられますよ。一緒に邦楽を楽しみませんか?」と師範の小谷愛子さん。次回の同つどいは9月4日(日)。入場無料。

問合せ 小谷さん
TEL 0436・36・0857

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  森や川に生息する動植物などを観察し、親子で自然を楽しみましょう!4月27日(土)、9月7日(土)、11月9日(土)の全3回に渡って行い、講…
  2.  いつの間にか春も盛り。寒いうちに庭木に寒肥(肥料)を与えておこうと思ったのに遅くなってしまいました。寒い時は庭仕事がどうしても億劫になって…
  3. 【写真】ケヤキ一枚板のカウンターと。左から鈴木さん、悦子さん、智明さん  大谷家具製作所は2011年11月に長南町長南に工…
  4. 『リーダーハーフェン』は1982年結成の男声合唱団で、42年間その歌声を響かせてきた。構成は、トップテノール・セカンドテノール・バリトン・…
  5.  多くの映画ファンを虜(とりこ)にした女優オードリー・ヘプバーンを、前半・後半と2回に分けて掲載します。ヘプバーンは今でも日本や欧米諸国で人…
  6.  昔から『言葉3割、行動7割』という言葉があります。「子どもは親の言うことの3割までしか身に付けないが、親の行うことはその7割以上を身に付け…
  7.  市原市姉崎小学校を拠点に活動している剣道『錬心舘市原道場』。設立は1987年と長い歴史を持ち、小中学生を中心にこれまで数多くの卒業生を育て…
  8. 【写真】本須賀海岸(当写真は特別な許可を得て撮影しています)  マリンアクティビティのイメージが強い九十九里エリア。成田国…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】ケヤキ一枚板のカウンターと。左から鈴木さん、悦子さん、智明さん  大谷家具製作所は2011年11月に長南町長南に工…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る