多藝・多才…そして人間劇場 ~深沢先生を悼む~
山里 吾郎

 新年早々の訃報だった。一瞬我が目を疑った。同時に「ミスタート音記号」「黄昏銀座」…先生が後年に発表した?人間劇場“の作品群が、頭の中を駆け巡った▼深沢先生に初めてお会いしたのは20年以上前、市原支局着任直後だった。懇意にしていた画廊店主の紹介で、作品とともにそのお人柄に触れ合う機会を得た。特別、芸術作品に強い造詣があったわけではない。だが、瞬く間に魅入られていく自分がいた▼叙勲受章(95年)の折には?横顔取材“で、鶴舞のご自宅にも伺った。アトリエの中央にドカンと居座るメゾチントの相棒「チンタラ一世」。なぜ、大作の銅板制作が可能になったか|熱心に講釈される先生に、ますます親近さと人間味を感じ取った▼先生の追悼を書くにあたって、高滝ダムの湖畔美術館を訪れた。訃報直後の1月5日から開かれた「深沢幸雄の市原市収蔵展」。昨年、文化人として初めて名誉市民の称号を贈られた先生の記念展として企画されたものを急遽、追悼展に切り替えた▼失意の中、独学で取り組んだ初期のモノクロ作品、人生の転機ともなったメキシコとの出会い、自らも好んで表した抒情詩との融合、そして後年の人生劇場…▼改めて作品を観ながら若い学芸員、石井千裕さんから近年の先生の様子を聞いた。多藝とともに多作家としても知られる深沢先生は90歳になる2年前まで大作を制作、総数は1100点以上に及ぶという▼最後に我が家には先生から記念として頂いた大き目のぐい呑みがある。これに初めて口をつけて『献杯』を、と思ったりもしている。

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