去年の秋から建て始めた小屋作りもやっと終わり、今は家の南側の庭作りを始めています。ここは、自分の理想の庭づくりに満足のいく広さがあり、日光も十分に差し込むので我が家のメインガーデンになる予定です。どのようなテーマで庭作りをしようか、どんな新しい植物を植えようか?と、様々なアイデアが浮かんできます。

 思えばこの山の土地に越して来てから、分からない事だらけでたくさんの失敗や試行錯誤を繰り返しました。今まで家のまわりの各方向の日光量など気にしたこともなく、夏と冬とではこれほどまでに太陽の軌道に違いがある事も分かっていませんでした。土に至っては、山土は酸性度から粘性度合いまで花壇とはまったく違うため、しっかり土作りをしないとせっかく購入し植えた苗を枯らしてしまう事も幾度となくありました。虫に薔薇の葉をことごとく食べられ、花が咲かない事もありました。種を撒くところから始めた西洋芝も、日本の湿気と暑さには敵わず、すっかりと枯れ果ててしまいました。そんな悔しい想いをするたびに、英国に庭の勉強に行った際、講師のガーデナーに言われた言葉が蘇ります。「失敗を恐れない事。庭づくりに近道はないのです」

 そして失敗の数々を糧にした南側の庭作りは始まりました。この場所は比較的難易度の高い常緑樹、落葉樹、多年草や一年草、それから球根などを織り交ぜた、イギリス田園風の庭にしようかと考えています。イングリッシュガーデンは樹木を主体とする事から始まります。まずは畑に植えてあった木々を活用して移植し、挿し木で増やしたローズマリーやラベンダーなどのブッシュをその周りに植え、高低差や色の配置を確かめ、将来それぞれの植物がどれ位の大きさになるかを想像します。2〜3年後にはきっと素敵なイングリッシュガーデンになっている事を夢見ながら。

 

◇長谷川良二。長柄町在住。ハーブコーディネーター、ガーデニングコーディネーター、歯科医師。市原を中心に公民館でのハーブの指導などをしながら自然栽培で野菜を育て、養鶏、養蜂にもトライ中。

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