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季節のスケッチ
- 2017/9/15
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俳画と文 松下佳紀
案山子は鳥獣などの食害から稲を守るために立てられた人形であるが、彼がその役割を果たしていると思う人は少ないだろう。明治期の小学唱歌「山田の案山子」でさえ一本足で立ち続ける木偶の坊ぶりを揶揄しているのだから▼今時は風船に大目玉を描いたものを吊るしたり、光を反射するテープを張りめぐらしたり、空砲を鳴らして雀などを追い払うが、全ての田にそれらが施されていないところを見ると雀の食害はさほどではないのかも知れない▼とはいえ案山子は健在だ。今や案山子祭りと称し、募集した創作人形を五十体、百体と展示する地域もある。それも面白いが、私としては昔ながらの一本足の案山子がぽつんと立っているほうが好ましく思えるのだが…。