谷の町、辰巳台の歴史を探る

 4月15日(日)、辰巳公民館主催の講座『ぶらたつみ』が行われ、参加者14名が集った。講師は辰巳台地区まちづくり協議会の北脇義雄さん。全2回の講座の初回となるこの日、約2時間半かけて辰巳台西地区を実際に歩き、周辺の地形や歴史を学ぶ予定だった。が、当日はあいにく、強風と豪雨の悪天候。参加者たちは公民館の一室で、北脇さんの解説に耳を傾けた。
 「私が辰巳台地区について調べようとしたきっかけは、近くの小学校で子ども達に地域の話をする授業をしたことでした。子ども達から、辰巳の昔を聞かれて答えたものの、実際には詳しく知らないと気づいたんです」と北脇さん。講座では、昭和22年から50年までの米軍が撮影した航空写真をスライドで映し、団地がどう形成されたのかを説いた。
 「辰巳台団地は、海岸沿いにある工場労働者の受け皿として着工されました。今は人口1万2千人ほどですが、昭和48年ごろの最盛期は2万5千人が居住していたということです」と話すと、「社宅よりも戸建建築が進んだことも人口減少の背景にあるのでしょうか」などの質問も飛んだ。
 なだらかな丘陵地帯で谷が深く入り込んだ水田の多かった周辺は、山部分を削り崩して住宅街になった。今でも谷の名残を残す団地内を、歴史の一部として確認できなかったのは残念だったが、参加者たちは室内で、かつての辰巳台の風景について懐かしそうに話し合う光景は印象的だった。第2回目は11月下旬に開催予定、好天を祈る。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】「手作りの電飾」木村順一  恒例の市原市写真連盟展が11/1(金)~6(水)、夢ホール(市原市更級・スポーツデポ市…
  2.  銚子市は、漁業と醤油の街として有名ですが、2012年に銚子市全域が日本ジオパーク委員会から「銚子ジオパーク」として認定されました。ジオパー…
  3. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…
  4.  10/12(土)から12/15(日)まで開催される、市原歴史博物館(市原市能満)の特別展「旅するはにわ~房総の埴輪にみる地域間交流~」。千…
  5. 【写真】日展 彫刻 2023年  都内六本木の国立新美術館にて、11月1日(金)から24日(日)まで『第11回日展』が開催…
  6.  秋の里山では、山の幸クリの殻斗(いが)の棘が茶色く変わり始め目立つようになる。葉が覆い茂っている林では見分けにくい。花が咲く6月と殻斗が割…
  7. 【写真】Frederic Edward Weatherly『Peeps into Fairyland(妖精の国を覗き見る)』 …
  8. 【写真】お店の前で。『十五や』のTシャツを着た藤本さん(後列中央)と田頭さん(右隣)  緑豊かな市原市東国吉で、県道21号…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る