マラソンは人生のよう

どこまでも続く道を笑顔で駆け抜ける
上野美津子さん

 市原市在住の上野美津子さん(69)は誰もが驚くパワフルなシニアに違いない。24年前、当時夫が関西へ単身赴任を始めたのをきっかけに、少しだけ余裕の出来た生活に何かを見出そうとマラソンを始めた。「市原市主催で行われていたナイタージョギング教室に参加することにしたんです。その頃、子ども達は中学生で少しは家を空けることもできました。幼稚園で栄養士の仕事をしていたので、夕方自宅に戻って食事の準備をしてから、練習に行っていました」と振り返る上野さん。
 当時からアクティブな行動力が窺えるが、そこから驚くような結果を残していく。北海道にあるサロマ湖100㎞ウルトラマラソンやしまなみ海道100㎞ウルトラ遠足、山口萩往還マラニック大会では250㎞を完踏。海を越え、有名なホノルルマラソンだけでなく韓国ソウルでも100㎞マラソンに参加し、完走した。「走り始めの最初は5㎞マラソンからだったんですが、徐々に距離を伸ばしました。今までにフルマラソンを49回、ウルトラマラソンを51回走っています」という。
 ウルトラマラソンとは、マラソンの基準距離となる42,195㎞を超える長さのもので、2日間眠らずに走り続けることもある。「休憩所で1時間ほど仮眠をとる方もいますが、食事をとり、絆創膏を貼り替えるだけで時間がとられてしまう。制限時間もあるので、私は一睡もしませんでした。そのため走っている最中、両隣に本当はいない人が見えるなど幻覚症状もでたんです。終わってしまえば、笑い話ですけど」と、明るい。
 上野さんはマラソンを始める前にも地元の水泳教室に5年ほど通ったり、同時期から山登りを続けたりと身体を動かすことが大好き。習得率は高く、全く泳ぎができなかったところからのスタートだったにも関わらず、5年間であらゆる型をマスターした。他にも、自宅の庭で茄子やトマト、オクラやブロッコリーなどの野菜を作り、自然と触れ合うことが趣味。
 「マラソンで北海道から沖縄まで日本のあちこちを回っていますが、特に好きなのがその土地柄を楽しめることです。走っている時に目に映る景色、休憩ポイントで提供してもらえる名産品は何より代えがたいもの。北海道のマラソンでは一度メロンが出て、どんどん食べて!という声に甘えて丸ごと一個くらいは食べちゃったかも」と、笑顔の上野さん。マラソン会場で地方の友達ができ、再び訪れた大会で友達と会えた時の喜びもひとしおだ。
 「あんまりじっとしていることが得意じゃないんですよね」と話す上野さんは自宅でリラックスする時、何をしているのだろうか。現在は子どもが自立して、夫と二人暮らし。仕事を続けながらも、家では小説を読んだり、折り紙で特大のくす玉を作ったりして過ごしている。飼い犬のミニチュアダックスフンドも癒しには欠かせない。

今では生活の一部に

 マラソンを始めた当初はナイタージョギング会への参加と、友達とゼットエ―武道場で行う自主練習と週に2回走るだけだった。持久力が上がり、マラソンへの熱が加速するにつれて練習量は増加。今では、月曜日には体育協会主催のエアロビクスへ通い、火曜日から木曜日は自宅周辺を10㎞走る他、週1回はゼットエ―武道場のランニングマシンを使用する
 ランニングを欠かさない上野さんは、大抵のことで息が切れるようなことはない。「今年の夏は酷暑だったので涼しい時間を狙いました。自宅の市原市青柳から袖ケ浦高校の脇を抜けて、ドイツ村の前を通って、立野の交差点を過ぎて、自宅に帰ると大体38㎞。朝の7時に出て、13時くらいにまでかかりますが、一回出たら帰らないといけないでしょう」と、苛酷だ。『なんてことない』という風に話す姿からは想像できないが、距離に換算すると毎月練習と大会を合わせて300㎞は走っているとか。
 「家族も応援してくれています。夫は私を送るために山口県まで車を出してくれたり、マラソン大会中も給水の補助をしてくれたりと感謝しています」と、上野さんは続けた。なにより、「走り終わった後に飲むビールは最高!」と見せる笑顔は元気いっぱいだ。夫と共に抱く『日本の百名山を登る』という目標も、今では85の山を登頂した。「マラソンに関しての目標は、千葉県館山市で毎年1月に開催される若潮マラソンに出場することです。年齢で区分けされて、タイムごとに表彰されるんです。70歳になって表彰台に登れるなんて、とっても素敵なことじゃない?」と、上野さんは最後まで凛とした笑顔を見せた。

問合せ 上野さん
TEL 0436・22・8054

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  いちはら地域ネコの会は、不幸なノラネコがいない地域社会を目指すことを目的に、平成24年に設立されたボランティア団体。地域ネコとは地域の理解…
  2.  いつも通る雑木林の奥に、輝いているかのように際立つ赤褐色の木を見つけた。マツ科マツ属の常緑高木、アカマツ(赤松)であった。  大きなもの…
  3.  昨年11月21日(日)、千葉市中央区にある青葉の森公園芸術文化ホールにて開催された『もんきりワークショップ』。午前と午後の2回行われたワー…
  4.  社交ダンスに限らず、特に魅せるスポーツにおいては選手の「表情」が大きな意味をもっていますが、このコロナ禍において、すでに2年近くの間、表情…
  5.  昨年10月19日、山武市の松尾IT保健福祉センターにて、山武市保健推進員協議会主催の『知ってる?パッククッキング~災害時常備食クッキング~…
  6.  明けましてておめでとうございます。草花や野菜と共に生活をしていると、四季の移り変わりもよりあっという間のような感じがします。昨年は園芸だけ…
  7.  東金市の八鶴湖畔に建つ『八鶴館(はっかくかん)』は、明治創業の割烹旅館として長年人々に愛されてきた。現存する建物は大正から昭和初期に建てら…
  8.  袖ケ浦市久保田在住の淡彩画家、澤井幸男さん。自身の作品『渓流の詩』がドイツ・エアバッハブドウ栽培組合ブランドワインのボトルラベルに採用され…
  9.  先月12月4日(土)、栃木県那須塩原市で行われた第30回関東中学校駅伝競走大会で、千葉県代表として出場した五井中学校と有秋中学校が優秀な成…
  10.  市原市は東京湾に面していても、残念ながら海で楽しめる場所がほとんど無い。唯一楽しめる場所は養老川河口で、海釣り公園があり、数多くの子供から…

ピックアップ記事

  1.  昨年11月21日(日)、千葉市中央区にある青葉の森公園芸術文化ホールにて開催された『もんきりワークショップ』。午前と午後の2回行われたワー…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る