季節のスケッチ

俳画と文 松下佳紀

年末に用が生じ東京へ出向いた。田舎に引っ込み、年も取り、めったに東京へ行かなくなったので、都心の人混みに改めて驚いた。街のどこを歩いても人、人、人、特に師走の駅は人間の坩堝だ。この一句はそんな中で出来た▼生かされて、とは宗教的観点を示す。この地球上に存在する生命、人間をはじめ象も蟻も花も蝶も、あらゆる生き物は神仏に加護され、生も死も運命づけられているという意味合いである▼が、多くの人々はそんなことを考えもせず確かな明日を信じて日々懸命に生きているのである。蟻一匹にも等しい私もまた、日が暮れないうちに家に帰ろうと、濁流のような雑踏の中をせかせかと歩くばかりであった。

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