ふるさとビジター館 ヤマコウバシ

ヤマコウバシ

 里山保全された雑木林の中を歩くと、褐色の枯れ葉が纏わりついている木を見かける。クスノキ科クロモジ属のヤマコウバシ。枝を折るといい香りがするので「山香ばし」。
クスノキやクロモジ同様、香りが特徴の落葉低木で高さ3~5メートル。
もう一つの特徴は3月頃まで枝に付いたまま残る枯れ葉。枝から「落ちない」枯れ葉は、合格祈願のお守りに使われる。
4月頃、淡黄色の花は2ミリととても小さく、7ミリの丸い果実は秋に黒く熟す。葉は互生、大きさ5~10センチの長楕円形。
葉が落ちてスカスカ状態になった林は陽が射し込んでとても明るい。葉を残した常緑樹も少しあるので風が遮られ、林の外よりも暖かく感じる。枯れた下生えに積もった落ち葉はフカフカ、歩くとガサガサ鳴る。
足音に驚いた野鳥が飛び回る音が聞こえる。鳥の気配が消えるとまた静寂に包まれる。
冬の里山をのんびりと散策できるのも市原の自然が豊かな証。いつまでも大切に残したい。

ナチュラリストネット/野坂伸一郎

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