大好きなハーブと小物作り ホッとする時間のサポートをハーバリスト 小田慶子さん【市原市】

 市原市国分寺台のいちはら市民ネットワークギャラリーで、小田慶子さんによる『バングラデシュと日本の手仕事展』が今月末まで開催されている。ハーブを使った品、バングラデシュの刺繍による布小物など、様々な手作り品が並び、好評だ。

バングラデシュでの出会い

「今回の展示会は、バングラデシュへの国際支援も兼ねています。私が子どもの頃から、母が熱心にボランティア活動をしていましたので、私も協力しています」と話す小田さんは、子育て中の40代。展示しているのはバングラデシュの伝統刺繍・ノクシカタの布小物。バングラデシュはインドの隣の発展途上国。洪水がよく起こる地域で、多くのボランティア団体が長年現地で活動している。ノクシカタ製品は、兵庫県に本部があるNPO法人・国際エンゼル協会が支援し、現地の女性たちが手刺繍で丁寧に仕上げ、フェアトレードの収益で自立に役立てているそうだ。

カラフルなボタニカルキャンドル

「私も学生の時にバングラデシュに数日間滞在しました。とても緑がキレイでしたが何もない場所で、子どもたちの養護施設やノクシカタを作っている女性たちを訪問しました」。食糧確保も難しい中で、子どもたちは明るく優しく、裸足で元気に走り回っている。自分たちのできることを一生懸命にやって生活し、里親支援では「これで勉強ができる、嬉しい」と泣いて喜んでいた。「ひるがえって、自分は何なのだろう、と思いました。何の不自由もなく、便利な生活が当たり前。なのにやりたいことがなく迷うばかりで。どれだけ恵まれた環境なのかと、痛感しました。だからこそ、今の私はどれだけ多くの人に支えられているのか、感謝を忘れたくないですし、その分、誰かに恩返しできればと思っています」と話す。
 ノクシカタも気に入っていて、ペンケースなど何年も愛用しているという。「象や鳥、木や草花など、刺繍はすべて幸運のモチーフ。古くから嫁ぐ娘の幸福を願い母親が手作りしていたそうです。植物や動物の模様が温かみのあるデザインで、しかもカラフル。ひとつとして同じものがないのも手作りの良さで、大好きなんです」

身近な自然に惹かれて

ノクシカタのバッグやリュック。会場にはポーチなどの小物も多数あり、国際エンゼル協会の里親支援制度などのパンフも設置。

 小田さんとハーブの出会いも、母親のボランティア活動がきっかけだったという。「販売支援のために布小物を作っていて、その中に可愛いチューリップのポプリがありました。香りはラベンダー。それが大好きで、いつも香りを嗅いでいて。中学生のとき、自分で初めて買った本もポプリ。そこにラベンダー畑の写真があって、一目で気に入りました」

 結婚し市原に来て、一人目の子どもが幼稚園に入る頃、布小物を作り始めた小田さん。最初はフリマやバサー、やがて市内のイベント等にも出店し、販売を通じてバングラデシュへの国際支援に協力した。二人目の子どもが幼稚園の頃、ハーブの資格も取得。本紙でハーブのレシピを連載中の長谷川良二さんのワークショップなどに行ったり、市原でラベンダーを栽培する『千の庭畑』にも毎年通い、今年は畑を管理するボランティアにも参加。ハーブのワークショップを始めたのは昨年6月からだ。
「空や風、水なども含め、身近な自然の豊かな恵みは、私たちの体と心を癒やしてくれます。その魅力を皆さんに伝え、忙しい方たちにホッとできるひとときをお手伝いしたい。ハーブの良い香り、可愛い花、小物や飲物など、手軽に取り入れられて気持ちも明るくなるようなメニューを提案したいと思っています」と小田さん。今後も定期的にワークショップを開催する予定だ。展示会会期中には7/29㈬ボタニカルキャンドル(写真・作るサイズは一回り小さい中サイズ)を実施。ハーブティー付2000円、動きやすく汚れても良い服で、持ち帰り用の袋を持参。参加申込はギャラリーへ。その他の問合せは小田さんのメールにて受付。

問合せ:いちはら市民ネットワークギャラリー
TEL.0436・21・1907
問合せ:小田慶子さん
mail:kei.oda1123@gmail.com 

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