笑顔で『ニイハオ!』中国語習得で人生に新たな潤いを

 毎月第2・4土曜日に三和コミュニティセンターで活動している中国会話サークル『ニイハオ』。20年の活動実績を持つ同サークルには、現在約10名の受講者が参加している。「私は入って9年目です。短期間の中国語講座を受講した方達が、面白いのでそのまま続けていこうと始まりました。中国人講師の呂(ろ)先生はサークル発足当初から教えてくれていて、みなさんに分かりやすいと評判です」と話すのは、代表の妹尾順正(せおよりまさ)さん。50から70代の男女が半々の割合でいて、初心者でもレベルに応じて勉強することが可能だ。9時半から11時半までの2時間で、発声から文章の作成、発表など盛りだくさんの内容。ちなみに、15分ほどのお茶タイムもあり、「先生から故郷である中国の文化や考え方、生活習慣など色々なお話が聞けるので、一番楽しいかも」と妹尾さんは笑った。
 メンバーには、中国に長期的滞在をしたことがある人や、上海に旅行に行ってきた人なども、ちらほら。全く中国語に触れたことがなかったという人でも、「月2回しかないから、発音の練習は頑張っています。家では、NHKのラジオ講座を使っても勉強していますが発声は難しいです」、「中国語は日本の漢字と共通している部分があります。文章を見て、まずはどんな事が書いてあるか想像するんです。中学では漢文を学び、レ点など知識を持っているので、英語よりも親しみやすいかな」と話す程、志は高い。授業でも、「その単語って、商店街のことですか?」など頻繁に質問が飛んでいた。また、隣の席の人へ質問を回していくコーナーでは、1人の男性が発した答えにクラスがドッと笑う。「さすがだね、その切り返し!」と声が上がる雰囲気からも、講師も認めるアットホームさがうかがえた。
 同サークルは無料で体験が可能(会費は月2千円)。現在、一番の難題は運営をする上で人数が不足していること。どんな人でも大歓迎!ということだが、全くの初心者だと知らない言語を始めるにはちょっぴり勇気がいるかもしれない。初めて教室に行って、全然分からないと不安になるかもしれないが、「大事なことは、休まずに授業に来てくれる事です。自分で勉強する事も必要ですが、まずは先生のお話をねばり強く一所懸命聞いてくれると嬉しいです」と妹尾さんは訴える。発声から単語を覚え、文章が作れる様になる。人が話している言葉が分かる様になれば、それはとても大きな歓びになる。
 妹尾さんは「私もまだまだ勉強が必要です」と話し、「聞いて、見て、すぐに分かる五十音とは違います。ただ、繰り返していくうちに、中国語独特の言い回しも使えるようになりますよ」と続ける。勉強している間に、日本語の言い回しが中国から入ってきていると感じる事も多く、他メンバー同様にラジオで勉強していると、「あの時の言葉は、こういうことだったのか!」と納得する事もあるとか。
呂さんは20年見てきた『ニイハオ』について、「メンバーの入れ替わりはありますが、みなさん中国に良い印象を持ってくれています。以前は、旅行に行きたいという目的で入ってくる方が多かったですが、最近はちょっとした興味で始められますね。お互いに文化を紹介しあうことでより親しくなり、日中友好のために少しでも役に立てれば嬉しいです」と語った。背筋を伸ばし、黒板の文章のメモをとる。呂さんの後に続けて発声するメンバーの横顔は、とても清々しい。臆することなく声を出す姿勢は、『学ぶ』という楽しさを物語っている。
 同サークルの『売り』は、何より分からない部分を直接聞けること。テキストも、呂さんが数冊持参したものから、メンバーが相談して選んだ。「今までは難しめのリーディング中心だったんですが、今年の4月から会話中心のレベルを優しいものに変更しました」と話す通り、様々な面で自由に発言することが可能だ。「1つの単語を質問すると、話は脱線してしまうことが多いんですけどね」と楽しげにメンバーが笑う同サークル。それでも、講師から返ってくる非常に細かな説明は、彼らをとても満足させている。
 この秋、何かを始めようかと迷っている人、中国語なんていかが?

問合せ 妹尾さん
TEL 0436・36・2589

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る