伝統ある土人形『芝原人形展 春の陽の中で』
- 2014/3/14
- 外房版
長生郡長南町にある長南町郷土資料館では、4月6日(日)まで『芝原人形展 春の陽の中で』が開催されている。『芝原人形』とは、型抜き製法により作られる土を素材とした人形で、その名称は明治時代初頭から昭和40年代初頭まで長南町芝原の田中家で製作されていたことに由来する。
「かつては農閑期の手が空いた時に、ひなまつりに向けて作ったと言われている。人形の中にはあらかじめ粘土鈴玉が入れられているためカラカラと音が鳴るため、石ころ雛とも呼ばれている」と話すのは、同資料館学芸員の風間俊人さん。『芝原人形展』では、窯元である田中家三代と四代目である千葉惣次さんの作品が飾られている他、芝原人形完成までの製作手順が絵を交えて貼ってあったり、田中家の庭に存在した窯と同じ大きさのレプリカ、また千葉県指定文化財になっている芝原人形製作用具まで置かれている。
ショーケースを眺めながら風間さんは、「ひなまつりに遊ぶ人形とあって女性の姿が多く、現代のひな人形とは一風違って明治、大正と時代を彩る服装や髪型が目立って面白い」と続ける。他に、物語の『金太郎』や『浦島太郎』などもあるが製作者により顔の表情さえ異なり、じっと見入ってしまう。「3月22日(土)には13時、14時から30分ずつ学芸員によるギャラリートークがあるのでいらして下さい」と風間さん。一つひとつが手作りされている、真心こもった芝原人形と初春のひとときを過ごしてみてはいかが。
問合せ 長南町郷土資料館
TEL 0475・46・1194