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『自然の中のオオカミを知ろう』 東金こども科学館にてパネル展開催中 ~オオカミと里山を考える会~【東金市】
- 2022/9/30
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- 東金市
東金こども科学館にて、『自然の中のオオカミを知ろう』と題したパネル展が10/10(月・祝)まで開催されている。主催の『オオカミと里山を考える会』代表の井上守さんは、「ニホンオオカミは1905年に絶滅しました。近年猟師が減ると、天敵のいなくなったシカやイノシシが爆発的に増え、その影響により森林の荒廃や農作物被害が全国的に深刻さを増しています。豊かな森を取り戻すために、社会の合意を得ながら森の生態系の頂点であるオオカミを復活させ、再び人とオオカミが共存する道を探求しています」と、説明する。今回のパネル展ではより多くの人にオオカミについて知ってもらうために、ニホンオオカミの絶滅までの経緯や、オオカミの家族や行動などの生態について詳しく説明している。
同会員で井上守さんの妻・千代子さんは、「『赤ずきん』や『3匹の子ブタ』などの昔話で、オオカミは怖くて悪さをする動物というイメージが定着していますが、実際にはオオカミは人や家畜は襲いません。農耕が中心だった日本では害獣から田畑を守る神様として崇められていたほどです」と、話す。 井上さん夫妻はそれぞれに、山登りや森林整備ボランティア、自然観察などで若い頃から山と親しんできた。山で目にしたシカ害の惨状に心を痛めた夫妻は、森の生態系を守るためにオオカミの復活を唱える『一般社団法人日本オオカミ協会』に賛同し、共に啓発活動を続けている。2014年には、人とオオカミが共存しているドイツ東部地方を視察のため訪問した。
ヨーロッパでは、オオカミの駆除から保護へと政策が転換され、1990年代からドイツ、フランス、スイスなどに生息地が拡大した。アメリカのイエローストーン国立公園では、1度絶滅したオオカミを1995年に再導入し、増えすぎたエルクジカが原因で荒れ果てた自然環境が改善されるという成果を上げている。同展では、これら海外での事例についても写真を交え紹介している。会場ではパネル展と併せて、シカやイノシシの骨や毛皮を展示。また、『くびふりオオカミ』のペーパークラフトや、オオカミの絵本、ぬりえ、福笑いが楽しめる。東金こども科学館は東金文化会館の2階。開館時間は9時半~16時、10/3㈪は休館。入場無料。会期中は解説者が常時待機している。詳しくは問合せを。
問合せ:オオカミと里山を考える会 井上さん
Tel.080・5024・9132
※写真提供:日本オオカミ協会