市原・大俵の一本桜、今春初公開!

市原・大俵の一本桜、今春初公開!
<案内人> 一本桜愛好家 谷垣 敬次郎さん

 春うらら、暖かい日が続いた今年は桜が咲くのも早いよう。お花見情報も気になるこの時期、今まで地元の限られた人しか知らなかった一本桜をご紹介。この桜は藪や他の木々によって、その姿を隠されていた。そこで、美しい桜の存在を多くの人に知ってもらいたいと、地主さんの理解と協力のもと、笹や雑木を刈り桜の周囲も整備し案内板を作ったのが、地元青葉台に住む谷垣敬次郎さん(73)。
 京都出身の谷垣さんは40年前から市原で暮らしている。京都の老舗呉服店『京ごふくゑり善』銀座店に定年まで勤めた。定年後、いろいろな花の撮影をしてきたが、10年ほど前に山梨県小淵沢で樹齢400年といわれる大イトザクラを見て以来、一本桜に魅了されてしまった。「公園や堤などの人工的に植えられた桜とは違う、自然の風雪に耐えた美しさ、凛々しさがある」と谷垣さんは話す。
 いただいた名刺には、一本桜愛好家とある。「退職後、名刺を持つこともなくなったが、撮影していると人との出会いがあり、名刺があると便利だなと思い、一本桜を愛する気持ちは誰にも負けないと肩書きに。日本三大桜と呼ばれる岐阜県の淡墨桜、山梨県の山高神代桜、福島県の三春滝桜をはじめ、全国50本の桜に会いに出かけた。今年は2月に南房総和田町の抱湖園の元朝桜を見に行った。4月半ばには岡山県の醍醐桜、兵庫県の樽見の大桜、滋賀県の畑の枝垂れ桜を見に行く予定。ついでに山梨県の神代桜や大イトザクラも。好きな桜には何度も会いに行く。飽きることはない」と、お手製の『桜便り記録』や自慢の一本桜の写真アルバムと「次に行く時の参考にと」自身が作成した地図を見せてくれた。「昔、農家では種まき桜とか暦に使われたり、子どもや孫を亡くした時には桜を植え、木の下にお地蔵様があった。桜が供養してくれたのかな」
 そんな一本桜に恋い焦がれている谷垣さんが近所にある一本桜と出会ったのは7年前。「樹齢は推定で150年。延々と長い年月を里山で生きてきた生命力と美しさに感動した」谷垣さんは地主さんに、根元の草や笹を刈る許可を得て、大勢の花見客が来ることへの了解もとった。そして、全容を現した一本の山桜。谷垣さんは「桜は咲いてよし、咲かずともよし。散り際の桜もいいし葉桜もいい。今年は桜の近くに菜の花も植えたし、テーブルと丸太の椅子も作った。ここが桜を楽しむ家族の思い出づくりの入門編になれば」と嬉しそうに語る。また、「現在、10人ぐらいの人が一緒に草刈りをやろうと言ってくれている。桜が大好きな人と手入れや各地に花見に行く仲間づくりもしたい。それから、市原でこれより大きな一本桜があったら教えてほしい」とも。
 ちなみに、地名は迎田だが地主さんの屋号が大俵で小字も大俵なので、「大俵の一本桜」と名付けたそう。
※開花状況、現地への行き方、駐車場など問い合わせは谷垣さんへ。
問合せ 谷垣さん
TEL 090・1817・6303

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