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天まで高く舞い上がれ
- 2015/2/20
- 市原版, シティライフ掲載記事
1月25日、袖ケ浦市郷土博物館(館長 山田常雄)で『ミニ凧作り教室』が行われ、幼児から大人までの約80名が入れ替わり立ち替わり来場し、「自分で作って揚げる」凧の醍醐味を楽しんだ。同館友の会に属する『凧の会』会員の指導のもと、今回作ったのは袖凧。漁師の半纏の袖に形が似ていることから名前がつけられた千葉県の伝統工芸品だ。他の角凧などとは異なり、大きいものでも小さいものでも骨の数が変わらないのが特徴。「風さえあれば走らなくても99%揚がります」と太鼓判を押す。
既に骨が装着された『チーバくん』などのキャラクターのミニ凧から好きな図柄を選び絵の具で色付けをしたら、同会のメンバーが糸と尾をつけて完成。更に興味のある人には、素材の話から糸の取り付け方まで丁寧に説明をしていた。凧には和紙、骨には3年ほど乾燥させて軽くしたマダケを使用している。
孫のためにと色付けをし操り方を熱心に聞く男性や、凧に興味があって訪れたという女性も。「外で息子と一緒に凧揚げを楽しみたい」と小4男子の母親。
外に出て、いよいよ凧揚げ開始。「すごい!」ぐんぐんと空高く揚がっていく袖凧に大興奮の子どもたち。引き糸の最大の長さ、80mの高さまで揚がっているものもあった。果てしなく広がる空に舞い上がった凧を眺めていると、心が解放されたような、何とも爽快な気分になる。
同会会長の武田弘さんは「どこの地方にも独特の凧の形がある。この袖凧は、日本全国どこで揚げても千葉県のもだとわかるんだよ」と子ども達に向かって豪快に笑い、「郷土の伝統を引き継いでいきたい」と話した。