触れて踊れば、笑顔が生まれる

NPO法人日本健康ペアダンス協会

 男女でペアを組み、手を取り合ってお互いの重みを感じながらステップを踏むペアダンス。経験者でなければ気恥ずかしいと感じる人も多いだろう。だが、「本来、音楽とダンスは無限の可能性を秘めている。それらが生み出すエネルギーで、もっと日本人を元気にしたい」そう熱く語るのは、NPO法人『日本健康ペアダンス協会』理事長の今井義子さん(43)と副理事長の小林勝彦さん(51)。今井さんは、日本舞踊や社交ダンスなど多種のダンス経験を持ち、小林さんは、松山千春や小椋佳など有名アーティストのバックドラマーとして長年活躍したほか、リズムが体に及ぼす影響の研究など様々な切り口から音楽と関わってきた。共に多種のダンスイベント出場経験者で、今年の7月に発足した同協会でダンスの指導にあたっている。
 2人が提唱する健康ペアダンスは、子どもから高齢者まで誰もが踊れるよう、キューバンサルサやルンバなどを織り交ぜて易しくアレンジしたもの。20代の頃に祖母の介護を経験した今井さんと、骨折の後遺症が原因で10代の頃に車椅子での生活を余儀なくされた小林さん。自分の足で歩き、元気でいられることの大切さを身をもって知り「介護予防に音楽とダンスを役立てたい」と考えた。また、今井さんは通っていたペアダンスサークルで「人と触れ合うことで相手の体調までが敏感に感じられる」ことに気づいた。
 目の前の相手と信頼し合い、お互いの存在の大切さを実感できるのもペアダンスならでは。続けていると、曲がっていた背筋が伸び体の痛みが癒えた人、会社でのストレスが原因で患っていた鬱を克服し「人生が変わった」と話す50代の男性、身だしなみを気にかけるようになり、美しくなっていった70代の女性など多くの人々の変化を目の当たりにした。ペアダンスの素晴らしい魅力を改めて感じたという。 
 8月26日、3回目の練習日に大網白里市の中央公民館を訪れたのは11名の男女。ストレッチとラジオ体操、筋トレのあと、4カウントで片足ずつ前後左右に出しては引っ込めるラテンダンス独特の基本ステップを繰り返したら、いよいよペアで踊ってみる。軽く手をつなぎ、お互いに支え合いながら押したり引いたりしてバランスをとる。まだ、ぎごちない動きの人も多く「手足バラバラ事件になっています」とのコメントにどっと笑いがおきる場面も。「無言のコミュニケーションです。情熱的に見つめあって」、「男性は女性をバラの花のように丁寧に扱って」と日本人には慣れないアドバイスに「照れくさいですね」と参加者は苦笑い。だが、1時間ほどステップを踏み続けていると「考えなくても踊れるようになってきた」と前進した声が聞こえてきた。
 初めて参加した夫婦は「普段は歩くことがなく、運動不足に陥っている。楽しかった。これからも参加したい」、ラテンダンスが大好きだという女性は「踊っていると自然に笑顔になる。日常生活でも気持ちが明るくなります」と話した。
 「踊りたいという欲求は本能。日本人も、本来踊りが好きな民族だと思うのです。ただ、上手に踊れなければ恥ずかしいという先入観を持っている人が多いので、その壁を取りはらっていきたいですね」と今井さんは力強く話す。
 ペアダンスが健康にいいことは科学的にも証明されている。肌と肌が触れ合うことでオキシトシンというホルモンが分泌され、脳が癒される。さらに、リズムに合わせて体を動かすと『幸せホルモン』とも呼ばれるセロトニンの分泌を促し、心身を安定した状態に導くという。「肌がツヤツヤになるなど若返り効果があるのも頷けます」と今井さん。
 「ダンスを楽しみながら、健康な状態で長生きできるような地域作りを外房から発信したい。将来的には、子どもと大人、お年寄りが手を取り合い、輪になって元気に踊る姿を思い描いています」と小林さんは明るいビジョンについて語った。
 まずは気軽に参加を。上手下手に関わらず笑顔になれることだろう。
 練習日は今のところ不定期。会費は初回無料、1回500円。同協会を拠点にペアダンスを広げていくため、サークルのリーダーを育成する講習会も随時行っている。関心のあるグループがあれば、出張講習会(初回無料、2回目以降は要相談)も受け付ける。

問合せ 今井さん
TEL 090・9373・3648
info@kenko-pairdance.com

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