こでまりの夢 ~くちなしの花~

 6月の終わり頃になると、いつもの散歩コースに『くちなしの花』が可憐な香りを漂わせて咲いています。私はそこを通るたびに花の香りに癒されて幸せな気持ちになっていました。花には季節があるので、あっという間に花の盛りは過ぎてしまいました。
暑い夏も終わりの頃、いつものようにその道を通りかかったら、なんと、くちなしの花が一輪咲いているではありませんか。思わず花のいい香りをかいで、とてもラッキーな気持ちになりました。数日後、また咲いていないかと期待をして見に行きましたが、あの日の一輪だけ。「ああ、残念…」と思った瞬間、「なんだろう?ラッキーな気分にさせてもらった花に対して、今日は残念な気持ちになっている。欲深だな…」と、思ってしまいました。期待するんですよね。もっと咲いてくれないかなって。これって、我が子に対しても同じことが言えるな、と思いました。できなかったことができるようになって、親としてはとてもうれしいはずなのに、期待という欲が出てくるんです。当たり前ではないかもしれないのに、できなかったら「ああ、残念…」と思ってしまう。ラッキーなことでも、期待通りにいかないとがっかりしたりして…。
季節外れに、くちなしの花に出会えて幸せな気持ちにさせてもらったのだから、それで十分幸せ。我が子もいるだけで幸せですね。

中嶋 悦子(なかしま えつこ)
1965年生まれ。宮崎県出身。二男二女の母。大網白里市在住。エンカレッジ・ステーション(株)代表取締役社長。NPO法人民間児童館おおきなかぶ理事長。ありんこ親子保育園園長。保育士。エッセイスト。
連絡先 TEL.0475-53-3509

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