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更蝸(こうか)つれづれ 房州浮書絵彫(うきしょえぼり)【市原市】
- 2020/1/24
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- 市原市
市原市在住の倉持光吉さんは、もうすぐ86歳になる。定年退職後、別の会社に暫く勤めていたが、体調を崩し、医者に診て貰うことになった。「自分に向いたことで何かに集中すると、この病気は良くなります」と診断され、何か無いものだろうかと探したそうだ。出会ったのは、戦後、房州館山で発祥した「房州浮書絵彫」。孟宗竹に浮世絵や花鳥風月を彫刻する竹工芸品である。現役時代から喜多川歌麿の浮世絵本を所蔵されていた倉持さんは、人一倍感心度高く興味をもったとのこと。
早速、教室を訪ね一から教えて貰ったところ、腕はメキメキ上達し、仲間からも褒められる様になった。ところがこの教室は、伝統的な工法が主流で、倉持さんの望む色彩表現及び、細部までの彫り方は本流と違い、やむを得ず教室を離れたという。独自の研究から原画に近い浮き書絵彫技法を確立し、浮世絵、美人画、花鳥風月、書などを彫り、今年で21年程となる。以前は千葉市などで、今は市原市内の教室での指導や作品作りに励んでいる。倉持さん(光峰流)の特徴とする技法は、ぼかし・色むら対策・豊かな色彩表現・繊細な彫り・鹿の子絞り。この高度な技術は、生徒さんたちにより次の世代へと引き継がれている。
当ギャラリー・和更堂(市原市更級1丁目9の1)でも、倉持さんの作品展は度々開催してきており、今月も29日(水)まで展示中だ(月曜休業)。最近は扱いやすい小物類も増え、好評である。
・相川浩:市原市出身。三井造船で定年まで勤め、退職直後の平成20年、自宅敷地にギャラリー・和更堂を設立。多くの郷土の芸術家と交流する。「更級日記千年紀の会」事務局担当。
TEL.0436・98・5251