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こでまりの夢
- 2016/7/1
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「子どもが食事を『まずい』と言ったら?」
あるお母さんが、こんなことをおっしゃっていました。「うちの子は、食事が口に合わないと『まずい』と言います。でも、言ってもらった方が私の料理の腕も上がるのでいいことだと思います」と。時代は変わったな…。
私の子どもの頃は、親にそんなことを言おうものなら、「文句を言うなら食うな!」でした。この違いは何でしょう?冒頭のお母さんは、子どもの気持ちを大切にすることと、自分の料理の腕を上げるために必要な意見だと受け取ったのだと思います。
しかし、昔の親は、料理を作ってくれた人の気持ちを大切にしたのだと思います。口に合わないから「まずい」と言ったら、料理を作った人に失礼であると。私の親世代は戦争を体験した世代です。食べ物はとても貴重でした。食べ物があるだけで有難かったのです。それを「まずい」と言うこと自体が許せないことなのでしょう。震災で大変な思いをされている方も、食べ物の有難さは、身に染みて感じられたことと思います。何でも好きなものを食べられること自体が、世界でも希なことですよね。
私はもう一つ、気をつけなければならないことがあると思います。親に「まずい」と言ってもOKとしてしまっては、子どもは外でも同じことを言います。先日、レストランで「これってまずいよね」と言っていた女子高生を見かけました。社会に出て困るかも…。
子どもには、食事を作ってくれた人の気持ちや作物を育ててくれた農家の大変さなどを、時折話して聞かせてあげるといいですね。
中嶋 悦子(なかしま えつこ)
1965年生まれ。宮崎県出身。二男二女の母。大網白里市在住。エンカレッジ・ステーション(株)代表取締役社長。NPO法人民間児童館おおきなかぶ理事長。ありんこ親子保育園理事長。エッセイスト。
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