おウチでジビエはいかが

 ジビエとはフランス語の狩猟で得た野生鳥獣の肉のこと。ヨーロッパでは高級食材として扱われる。そのジビエ料理に親しんでもらいたいと、今春、農業センターにて農林業振興課主催『ジビエ料理教室』が開かれた。扱ったのはブタやウシの肉より、たんぱく質が多く、カロリーが低いイノシシ肉。ビタミンB群やコラーゲンも多く含まれ栄養価が高い。
 「家庭で手に入りやすい食材を使ったメニューにしました」と話すのは講師の和食処『八幡屋』社長中村雅人さんと料理長の石井一三さん。午前と午後、合わせて男女30人が参加した。イノシシ肉について中村さんは「コロッケや餃子、ハンバーガーにしても美味しいです」、石井さんは「中華、和食、イタリアンにも本格的に使えます」と説明し、茹でたてのウインナーを試食用に配った。ただ、ひき肉は市販されていないので、「ぜひ、市内の飲食店やイベント開催時に食べてください」とのこと。
 調理したのは3種類。今後販売予定だというボローニャソーセージを使ったパスタは、玉ねぎとしめじを使い、市販のソースをかけるだけ。ピカタはイノシシのバラ肉を水100㏄、酒18㏄、みりん、醤油各18㏄、ニンニク、ショウガ、ローリエに3時間漬けたものを使う。デミグラスソースは市販品を昆布出汁で溶いたものが用意されていた。
 卵でとじる他人丼に使うロース薄切りは調理前にたっぷりの水に入れ沸騰させたあと、冷水ですすいでアクを取る。石井さんは「イノシシ肉だから下処理をするのではなく、他の肉でも同じです」とプロのコツを教える。「温かい方が美味しい」との中村さんの配慮から出来たらすぐに食べるというスタイル。参加者はそれぞれ料理が完成するたびに、「クセがなく、やわらかい」、「イメージが変わった」、「子どもが好きそう」など感想を言い合い、舌鼓を打った。
 捕獲されたイノシシは千葉県の厳しい出荷・検査方針に従い、市職員の立会いの元でと殺後30分以内に食肉加工場で解体処理される。出荷されるのは全て放射性物質検出検査済みの肉だ。現在、市内では『いちはらワイルドポーク』ののぼりを立てた市原市料理飲食店組合の飲食店33店がさまざまなイノシシ料理を提供している。お馴染みのぼたん鍋のほか、カレー、シューマイ、ラーメン、焼きそばなど、意外なメニューが揃っているので食べ比べてほしい。イノシシ肉そのものは、県内では『たけゆらの里おおたき』をはじめ5軒の食肉加工場が扱っている。市職員の高塚幸二さんは「市内の飲食店のおかげでイノシシ料理を味わうことができるようになりました。いろいろな味を知ってもらい販売促進につなげたい」と期待している。

問合せ 農林業振興課
TEL 0436・36・4187

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