ジビエ料理に挑戦

 ここ数年、料理の講習会に参加する男性が増えている。男の料理教室と銘打った講習会のみならず、様々なジャンルの料理講習会で男性の姿を見かけることが多くなった。10月に戸田コミュニティセンターで開催された『ジビエ料理教室 イノシシのチャーシュー』も参加者11名のうち男性が6名と半数を占めた。「妻に何かあった時に自炊できないと健康に良くないと考えて」、「定年を迎え、特に趣味もなかったので、家で濡れ落ち葉になりたくなかったので、料理ができるようになりたかった」など、皆さんの思いはそれぞれだ。
 講師の西野浩一さんは市内にある手造りドイツハム・ソーセージ専門店『タンネン バウム』のオーナー。「地域の食文化の担い手になりたい」と、これまでも市内各地で肉料理の講習会で講師を務めてきた。当日のメニューはイノシシのチャーシュー。イノシシ肉は購入が難しい場合もあるので、手軽に購入できる豚肉で代用可のため、配布されたレシピには『焼豚・ローストポークの作り方』とあった。いずれも塊の豚肉を加熱した料理。
 今回の調理はオーブンではなく、フライパンと鍋を使用しての『低温調理』。オーブンで高温で焼くより低温なため失敗が少なく柔らかく仕上がる。
 まずは、西野さんがジビエと調理について「イノシシ肉は高タンパクで低脂肪。栄養満点でヘルシーな食材。家畜とは異なり野生の食肉なので、肉が固く独特の風味がある。これをひと手間かけて美味しく食べる」と説明を始める。
 肉は新鮮なものを使い、特有の臭み消しに塩コショウをたっぷりとすり込む。そして糸巻きをし、タレ(調味液)に最低でも一晩は漬け込む。この日は、あらかじめ西野さんが味の浸透しやすいジップロックに入れ、2日間タレに漬け込んでおき、糸巻きも参加者にやってもらうつもりだったが、形状が難しい肉だったので西野さんがやっておいた。いかに簡単にできるか考え、タレは市販の焼肉のタレを使ったという。臭い消しに、ニンニクとコショウを多めに加えた。強火でよく熱したフライパンで素早く肉を焼き、表面に焦げ目をつけたら、すぐにラップで包み粗熱をとるため冷凍庫へ。6分後、取り出してジップロックに入れ70~75℃に熱したお湯の入った鍋に投入。落し蓋をし鍋に蓋をしたら、お湯の中心温度を70~ 75℃にキープするようにして1時間ボイルする。タイマーを1時間にセットし、10分おきに棒の温度計で温度チェック。鍋の蓋を開け閉めして温度を調整する。
 などと調理法を説明をしたのち、イノシシ肉をオリーブオイル(ピュアオイル)を引いたフライパンで焼いてみせる。続いて、参加者の皆さんも肉を焼き、冷凍庫へ。取り出して鍋に入れボイルしているあいだに質疑応答の時間。西野さんの親しみやすいキャラとわかりやすい説明に、質問は途切れることなく続く。1時間はあっという間に過ぎる。茹で上がったイノシシ肉はジップロックに入れたまま、流水で冷やす。「肉は冷ましてから切らないと身が崩れる」と西野さんの一声。肉に塩をすり込む場合には「食塩を使わず、岩塩や粗塩などを使って」と、要所要所でもアドバイス。「肉を焼く時に牛脂を加えると甘味が出ていい。野菜炒めに使ってもいい。牛脂を使う時はフライパンに油を引かなくていいですよ」など知っておくと役に立つ事柄も教えてくれる。
 各々が作ったイノシシのチャーシューは持ち帰り、余分に作ったものを試食。講座終了後、参加者に感想を尋ねると、「料理や食材、調味料など色々なことを楽しく学べた」、「ここ数年流行っているというジビエ料理。作るのも食べるのも初めて。貴重な体験ができた」と、皆さん、満足げな様子だった。

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