国内外で認められたスピードでオリンピックへ

プロサーファー 大原洋人さん

 長生郡一宮町在住のプロサーファー大原洋人さん(21)は、2020年東京オリンピックで会場となっている志田下ポイント、地元の釣ヶ崎海岸でオリンピック出場およびメダル獲得を目指している。綺麗に日焼けした顔に浮かべる笑顔がしっかりと数年後の未来を見据えていることは、彼のサーフィンへの想いや練習量からも明らかだった。
 「サーフィンを始めたのは小学2年生の時です。両親がやっていたので、物心ついた頃から海には入っていました。でも、小さい時は海で足がつかないのが怖くて、どの身長の人がどの辺まで立っていられるかチェックしていましたね」と、屈託なく笑う大原さん。
 しかし、徐々に才能は頭角を現していく。小学校の通学前に、まず1時間半ほど海に入ってサーフィンをすることが日常になったのはすぐのこと。アマチュアの大会に出場したり、日本人のプロサーファーの技を見たりすることで視野は益々広がった。天候や海底の地形によって割れる波は毎回変わる。何度も繰り返し波に乗っては、憧れた技を粘り強く練習し続けた。 「小学5年生の冬休み頃、武者修行のような感じでオーストラリアに1カ月間行ったんです。その時に、エアーという波から空中へ飛び出す大技を初めて決められた時の嬉しさは今でも覚えています」という。
 そして13歳の時、全日本選手権優勝とU16年間チャンピオン獲得を成し遂げて、ついにアマチュアの頂点に。同年、日本サーフィン連盟より公認プロの資格を獲得し、国内に留まらず海外でも目覚ましい成長を遂げるようになった。2012年カリフォルニア選手権では日本人として初優勝、2013年ワールドジュニアチャンピオンシップU20では日本人初の3位入賞を果たす。他、多くの大会で実績を残す彼の気持ちは、当然のごとく「サーフィンで生きていくという決心は早くについていました。もしダメで就職するかもと考えている時間が勿体なかった」と振り返る。

強くなった理由

 練習や試合の遠征のため、1年の3分の2は海外で過ごす。アメリカやオーストラリア、ヨーロッパ、南米など多くの国を回っている大原さんは、スポンサーに目標や課題などしっかりと伝えた上で、スケジュールの調整を自ら行う。
 「小さい頃は技もスケジュールも与えられたことに従う方が多かったですね。でも、今はコーチのアドバイスを聞きながらも客観的に自分を見られるようになりました」と話す大原さん。たとえ試合で失敗したとしても、落ち込むことはない。自らを励ますように、自分は強いはずだと言い聞かせる努力もしない。
 なぜなら、「練習は嘘をつかない。人とは違う努力をしているという確固たる自信」を持っているからだ。失敗は改善できる。転んでしまったら、転びにくい方法を探すだけだ。サーフィンの大技、エアーを習得するまでは海の中だけでなく、空中での感覚を身につけるため陸上でもトランポリンを使用して練習し続けた。
 また、苦労したのはサーフィンの練習だけではない。海外遠征の際、大抵は母親のサポートを受けて動いているものの、時に外国人選手たちと寝食を共に過ごすこともある。コミュニケーションをとるために必須なのは英語での会話。今でこそ日常会話に困ることはないが、初めは意志疎通ができずに戸惑うことも多かった。「そういうこと全部含めて、あの時に苦労しておいて良かったなと振り返ることができますね」と、強く頷く。
 日本に戻ってきた時は大抵トレーニングで身体づくりをし、主に下半身の強化に取り組んでいる。そして、大切な息抜きは趣味の釣り。自宅近くにある池や川でバス釣りを楽しむのだとか。「一時はプロの釣り師になりたいと思っていたこともあります。それに今も遠征先で海に出ると、あそこがいい釣り場だとか考えちゃうんですよ」と、リラックスした雰囲気で笑う。
 そんな大原さんは、「世界最高峰のツアーのWCTに入ることが第一目標。そして2020年のオリンピックで代表入りしてメダルをとること。もっと遠い話をすれば、おじいちゃんになってもサーフィンをしていることですね」と目標を語り、最後までユーモアも忘れなかった。

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