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ふるさとビジター館 自然探訪~3月に咲くコブシ~
- 2023/2/9
- 市原版, シティライフ掲載記事
- ふるさとビジター館
雑木林を散策すると、頭上の枝先に筆先のようなものが観られることがある。長さ2~3センチ、白っぽい軟毛に覆われている。3月に花開くコブシの花芽(かが)だ。
モクレン科モクレン属のコブシは、高さ15メートルの落葉高木。花の大きさは10センチぐらい、内側にある6個の白い花弁がよく目立つ。葉が展開する前に咲くというが、開花と同時に花のすぐ下に小型の葉が1個顔をだす。葉は互生、10センチぐらいの倒卵形、先が短くとがる。
モクレン科の特徴で精油成分があり、葉や花に傷をつけるとよい香りがする。筆先の花芽はモクレン属の特徴、公園や街路樹のモクレン、ハクモクレンにも観られる。握りこぶしに似た集合果からコブシの名が付いた。辛夷(こぶし)と書くが、これは中国の別の植物名を誤用したものらしい。
早春に開花する樹木の芽は花芽と葉芽(ようが)に分かれているのが多い。冬芽が地上にあれば木、地下にあれば草という分け方もあるようだ。
満開のコブシには桜と違う趣と見応えが感じられる。出会えればまた一つ自然が好きになるでしょう。それも豊かな証、いつまでも大切に残していきたい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)
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