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『せかいいち』を届けたい 西アフリカの島国からチョコレートを輸入~合同会社バナナドライブ一級建築士事務所 小山信広さん 中沢かおりさん~【いすみ市】
- 2023/6/1
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【写真】小山さん製作のヤギ小屋の前で、小山さん・中沢さん夫妻
『クラウディオ・コラッロ』のチョコレートは、小山さんと中沢さんが2019年に旅行したサントメプリンシペ共和国で出会ったもの。サントメプリンシペは西アフリカのギニア湾に浮かぶ赤道直下の島国だ。そこでイタリア人のクラウディオ・コラッロ氏が、育て方と焙煎でカカオ豆の苦味が出ない製法を確立し、欧米では人気のチョコレートとなった。中沢さんは「そのおいしさに感動して日本でまた食べたいと思ったら、売っている所がなかったんです。日本で建築設計事務所をやっていて、食品の販売経験はないけれど是非このチョコレートを売りたい、と現地の工房にメールを送りました」と説明する。
100%でも苦くないチョコレート
『クラウディオ・コラッロ』は、欧州最大のチョコレートの祭典『ユーロチョコレート2016』で、『環境を尊重し、持続可能な開発モデル』として『国際プレゼンス賞』を受賞した。「環境に負荷をかけないシンプルな包装、現地での雇用促進といった面でも深く共感しています」と、中沢さん。取り扱っているのは、『100%』(カカオ分)、砂糖入りのものが『80%クリスタルシュガー』、『75%』、『70%ソルト&ペッパー』などの6種類。植物油脂、香料、乳化剤などの添加物が入っていないので、チョコレートは好きではないという人からも「おいしい」「口どけがすっきりとしている」という声が届く。「食べるのには27~28度が適温で、カカオの香りが引き立ちます。『75%』をお湯でとくと、おいしいホットチョコレートができます」。せかいいちは地元のイベントで出店することもあり、チョコレートは同市長者町のオーガニックショップ『いすみや』でも購入できる。
空き家問題の取組みも
中沢かおりさんは横浜市の出身。小さい頃から工作や折り紙などモノを作る事が大好きで、中学生の時から将来建築の道に進みたいと思い描いていた。大学卒業後、いくつかの建築事務所で仕事をする中、古いものを活かす仕事をしたいと思うようになり、築50年の木造家屋のリノベーションなどに携わる。小山信広さんは北海道洞爺湖町の出身。子ども時代は、家にあった薪をのこぎりで剣にして遊んでいた。22才からの5年間地元の消防署に務めるが、上司の「人や社会の助けになる仕事だが、振り返ると形あるものとしては残っていない」という言葉が、小山さんをモノ作りの道へと向かわせた。都内の専門学校でデザインを、札幌の家具工場では職人としての基礎を学ぶ。意外な、ちょっとした驚きがあるモノづくりをモットーとしている。
小山さん、中沢さん夫妻の移住のきっかけは、家具工房として借りた友人所有の倉庫がいすみ市内にあったことだ。移住以来、市内の起業家の集まりや子育てサークルなどを通じて、公私ともに地域とのつながりも広がっている。
『合同会社バナナドライブ』が手掛け、今年初めに竣工したのが、いすみ市の旧中川小学校のオフィスへの改修だ。廃校の有効利用として、液晶モニターの製造販売を業務とする『株式会社JAPANNEXT(ジャパンネクスト)』が本社を移転し、業務を開始した。現在取り組んでいる物件は、高齢のオーナーが所有する市内の別荘。中沢さんは、「傷みがはげしいので事前になおして、売っても貸してもいい状態に。空き家を活用する1つのモデルケースにしたいと思っています」と話す。移住したい町としてメディアに取り上げられることも多いいすみ市だが、「空き家バンクへの問い合わせは多くても、対応できる物件が少ないのが現状です」と、小山さん。「移住希望者の数に合わせて、家を増やすことが必要」と続ける。「空き家はたくさんある。いろいろなニーズにこたえられる家が用意できるといい」と、小山さん、中沢さんともに空き家問題の解消へつながる道を探りたいとの思いを語った。
チョコレート、住宅リノベーションそれぞれについて、詳しくはホームページか問合せを。
問合せ:合同会社バナナドライブ 中沢さん
Tel.080・5689・9124
http://banana-drive.com
●せかいいち 次回の出店
大多喜『チーズ工房千』の月に1度の営業に合わせて中庭にて
7/2(日)11時~17時