【寄稿】 地域に根差した研究誌『房総古代道研究(七)』を発刊~ 房総古代道研究会~【市原市】

 市原を中心とした房総の地域歴史を調査・探求している房総古代道研究会は、令和6年4月、会誌『房総古代道研究(七)』(A4版82ページ)を発刊しました。全国に数ある地方史研究の書誌の中にあって、その内容は「地域に根差した質の高い歴史情報誌である」との高い評価を得ています。
 今回の研究論文としては、〈房総の名工『波の伊八』の知られざる実像を探る〉が注目されます。「伊八は波の表現にすぐれ、北斎の富嶽三十六景・神奈川沖浪裏に影響を与えた」というのが従来の定説ですが、それを覆す内容です。また〈『風土記』が伝える風土と地名〉は、約1300年前の同書が、我が国の景観・風土・動植物・気候・伝承など、今に伝えていることを分かりやすく解説しています。
 同研究会の研究テーマである『六十六部廻国供養塔』では、二つの論文を掲載。一つは長生郡長柄町の実態をとりあげ、もう一つは江戸時代の道標を現地調査した〈房総における坂東観音巡礼の道を復原する〉で、ともに興味ある報文です。
 同研究会が開催した講演会の記録も盛りだくさん。昨年5月の〈小弓公方足利義昭と戦国時代の房総〉、同11月の〈市原市の縄文大貝塚〉、今年3月の〈上総国府周辺の古代牧〉は、それぞれの分野の専門家による執筆です。図や写真も多く掲載されています。
 研究会では1冊1000円で一般頒布中です。ご希望の方はFAXにてお申込みください。
Fax.0436・23・1098

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