冬に渡ってくるカラス!!ミヤマガラス、コクマルガラス
カラスは誰もが知っている野鳥である。嘴が太く額が出っ張り、「カーカー」と濁らず鳴くのがハシブトガラス。嘴が細めで額がなだらか、「ガーガー」と濁るのがハシボソガラス。一般的にこの2種類が年間を通して見られ、ゴミを荒らす等で皆さんから嫌われる存在になっている。
冬になると、ロシアや中国の大陸から渡ってくるカラスもいる。ミヤマガラスとコクマルガラスである。近年、市原市の平野部の農耕地でも、ミヤマガラスの群れの中に少数のコクマルガラスが混ざり、一緒に行動している姿が観察できる。
ミヤマガラスは47cm。ハシブトガラス56cm、ハシボソガラス50cmよりやや小さいが大きさでは判別しにくい。見分けは、嘴の形である。嘴が細くて、毛筆の用に先が尖っており、基部の色が白い。
一方、コクマルガラスはハトと同じぐらいの33cmなので、容易に識別できる。小さくて可愛いらしいカラスである。他のカラスと同じように全体が黒っぽい暗色型やお腹と後頭部が白色でパンダのような淡色型及びその中間型がいる。ここ数年市原で観察できるのは、暗色型とグレーな中間型であり、残念ながら淡色型のものは、確認できていない。カラスとは思えない「キュー」とか「キョー」と鳴くので、声でも存在がわかる。
ミヤマガラスとコクマルガラスは、群れで移動しながら、冬の農耕地で昆虫類や落穂や草の種子、根などを食べる。時にはコクマルガラスが見つけた餌を、大きなミヤマガラスが横取りすることもあるが、コクマルガラスとしてはミヤマガラスの群れにいることで、猛禽などから身を守ることができるため、共存しているものと思われる。
農耕地に群れでいるカラスを見たら、注視してみよう。白黒のパンダのような可愛らしいコクマルガラスを発見できたら超ラッキーである。
ナチュラリストネット/岡 嘉弘
ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。市原の豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。