埼玉県・越生小と姉崎小60年ぶりに卒業生の交流会が実現

 昭和30年から36年の夏、まだ姉崎に遠浅の海があったころ、小学6年生の『海と山の交換会』が2泊3日で毎年開催されていた。海の近くの姉崎小と、埼玉県・秩父山地に接する越生小の子どもたちが、相手の学校に宿泊するというものだった。その交換会に参加した今年72歳の姉崎小卒業生たちが、9月下旬、60年ぶりに越生を訪問。かつて姉崎に来てくれた越生小卒業生と、思わぬ交流会が実現した。
 きっかけは椎津の中島宗光さんが、父・秀夫さんの遺品から『夏の生活交換会記念号』を見つけたことだった。「当時、父は姉崎小のPTA会長で、交換会でも役員。記念号は、参加した私たち80名の感想を掲載したものでした」。中島さんは、同じく同窓生で椎津に住む脇田靖さんに文集を見せ、「今年は交換会実施60年。記念的年なので、越生を再訪しないか」と提案。姉崎小卒業以来、一度もしなかった同窓会にもしようと話が進み、連絡先が分かった相手に文集をコピー、案内を送った。反応は大きく、記念誌が残っていた驚きとともに、当時の越生をよく覚えていると、何人もの同窓生から返事がきた。「あのころは戦後の復興期、物もなく、家族旅行もありえなかった。だからこそ交換会は大事な思い出なんですよ」と脇田さんは話す。
 1泊2日で31名が越生行きに参加。日本観光百選の黒山三滝、越生小など、交換会で行った場所をまわった。初めて滝を見た子どものときは圧倒されたが、大人になって見ると「美しいが、小さな滝だったのか」と驚いた。越生小は移転、元の小学校跡には町役場や図書館が建っていた。ここでサプライズが起こる。交換会後、しばらく越生の卒業生と文通していた参加者が、越生再訪を相手に手紙で連絡しており、越生小の卒業生にも話がまわって、歓迎会が企画されていたのだ。姉崎に来た人など十数名と、町長からはメッセージ、越生町の特産品も土産にと渡された。「越生の人たちは、姉崎で初めて銭湯に入ったこと、あさり汁の美味しさなどが忘れられないと言っていました。子守りで旅費を貯め参加した方もおり、私たちも感動して。こちらは各家庭で風呂をもらったことが珍しく、祭りの山車をわざわざ見せてもらったことなど話し、素晴らしい交流会になりました」。当時は自給自足の時代。姉崎でも越生でも、地域の人や役員、教師が一致団結し実施したのだろうと、中島さん、脇田さんは言う。「各家からの寝具の提供、薪でご飯を炊き毎食用意するなど、すべて自分たちでやったはずです。非常に大変だったと思いますよ」。
 越生での夜は皆で思い出話に花が咲き、帰ってきてからも「行って良かった」と参加者は口を揃えているという。中島さんも脇田さんも、また機会があれば越生行きを実現したいと、再再訪を望んでいる。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  里山では、初夏に散房花序の白い小さな花をたくさん咲かせたガマズミが実っている頃です。スイカズラ科ガマズミ属のガマズミは高さ5メートルほどの…
  2. 『ほう ほう ほたる来い♪』『ひらいた ひらいた なんの花がひらいた♪』。毎月第1・第3水曜日、茂原市本納のほのおか館の2階からは『かなりや…
  3.  東金こども科学館にて、『自然の中のオオカミを知ろう』と題したパネル展が10/10(月・祝)まで開催されている。主催の『オオカミと里山を考え…
  4.  JR内房線姉ケ崎駅から南東へおよそ3㎞、約3200世帯9400人が暮らす市原市青葉台地区。高齢化が進む中、地域活性化を目指す『39PJ(サ…
  5.  毎月第1・3月曜日に、市原市福祉会館で開催されているのは『障がい者のヨーガ教室』。13時半から14時50分まで、講師の小林正子さんとアシス…
  6.  上総国の豪族・上総広常(?~1183)は、鎌倉幕府設立の功労者として歴史に名が刻まれる。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、広常が源頼…
  7.  茂原市谷本の住宅街で、工房・蔓gali(ツルガリ)を構える村越達也さんは、山葡萄(ぶどう)の籠バッグや財布を制作している。もとは旅行関係の…
  8.  大福山は市原市の最高峰。標高285mの山頂には日本武尊を祭った白鳥神社が鎮座し、東側の展望台からは北にスカイツリー、南には房総の山々が見渡…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  JR内房線姉ケ崎駅から南東へおよそ3㎞、約3200世帯9400人が暮らす市原市青葉台地区。高齢化が進む中、地域活性化を目指す『39PJ(サ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る