季節のスケッチ

季節のスケッチ
俳画と文  松下佳紀

季節の推移は誠に早い。ついこの前まで眩しく輝いていた木々の若葉はすでに濃い青葉だ▼若葉も青葉も夏の季語だが色彩から受ける印象はかなり違う。何よりも若葉は緑の色数も多く明るい。それが初夏の日差しに光り輝き、野山を緑の饗宴に駆り立てる。正に風薫る誰もが好む季節だ▼しかし初夏の輝かしい若葉はたちまち真夏の青葉に変貌する。青葉の濃い緑色はやや暗く沈鬱だ。が真夏の強烈な陽光の下では炎熱を抑制するかのような深い緑色こそが、季節にふさわしいのかも知れない▼それを知るのは公園などの緑陰に身を置いた時だ。一見単調に見える青葉にも様々な諧調があり、奥深い世界を広げていることを。また言い知れぬ安らぎがそこにあることを……。

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