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ギンリョウソウ(銀竜草)白色の蝋細工

 初夏のこの時期、薄暗い雑木林の中にある落葉で覆われた道端などで、頭をもたげる白い奇妙なものにギョッとします。遠くから見ると白いキノコのように見えますが、近くで見るとそれは透き通る白色の蝋細工のように美しく、まるで妖精のようです。
 うつむき加減の花、うろこ状のような葉に包まれている姿から竜を彷彿させるので、ギンリョウソウの名がつけられたそうです。また、一方では、白っぽい姿で頭を下げる怪しい出で立ちなどから、別名ユウレイタケとも言われています。
 ギンリョウソウは、その姿形からキノコの仲間と思われがちですが、イチヤクソウ科の植物で全国に分布しています。薄暗い林床の湿り気のある腐植土などに生育し、高さは約10~15センチ程度。根以外は全て白色、花は円筒形、葉は退化してりん片状です。
 植物は、通常、自分が生育するために主に葉にある葉緑体で光合成を行い必要な栄養を作り出します。しかし、ギンリョウソウは見てのとおり白色のため葉緑体を持っていないので自立して生育できません。
 樹木の根などにつく菌類に寄生し、樹木が光合成で作り出している栄養などをその菌類を通じて得ている特殊な生育形態を持っているとのことです。なんとも合理的な植物と思いますが、その反面、条件のそろった場所にしか生育することができないので、繁殖力は低く、いつも同じ場所に生えてくるとは限らないため、なかなかお目にかかる機会は少ないようです。
 妖精か、はたまた幽霊か、そんな美しく不思議な魅力を持つギンリョウソウに山の中で出会えたら幸運かもしれません。

ナチュラリストネット/時田 良洋

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