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「私の写真をきっかけに、皆さんが身近な自然の美しさに目を向けて頂けたら」
- 2014/8/29
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デイモン・ベイさん
市原市在住のニュージーランド人、デイモン・ベイさん(39)は県内の高校で教職に就く傍ら、写真家としての活動を続けている。彼が被写体とするものは房総の美しい自然だ。休日には里山を散策し出会った地元の人から話を聞いたり、里山の自然に触れてリフレッシュする。
3年前、日本の永住権を取得したデイモンさん。日本を初めて訪れたのは高校時代。交換留学生として大阪に1年間ホームステイした。「ニュージーランドの首都ウェリントンや最大都市であるオークランドは北島にあり、私が生まれ育った南島は豊かな自然に恵まれた土地で、東日本大震災の発生した前月、地震があり大きく報道されたクライストチャーチが故郷です。子どもの頃から自然やアウトドアに親しんで育ちました。ニュージーランドの面積は日本と同じぐらいなのに人口は千葉県より少なく、四季があることは同じだけれど、日本とニュージーランドは全く違います。ニュージーランドは元々、無人島で人類が移り住んでからの歴史が浅い国ですが、日本には古い歴史があります。私は盆栽や浮世絵などに代表される和の芸術、神社仏閣に強く惹かれました。そして来日して更に日本文化が好きになりました」と流暢な日本語で語る。
ホームステイ後、帰国すると地元の大学へ入学したが、「日本に帰りたかった(笑)」と、在学中も訪日。「日本で生活することが夢だった」デイモンさんは、卒業後、ニュージーランドと日本で働きながら2国間を行き来した。その後、大阪で働いていた時に、出会った日本人女性と8年前に結婚し、市原に移り住んだ。「2人とも海が好きだったので千葉に住もうと思い、職場が近い市原に越してきました」と微笑む。
自宅に飾られた波を描いたアクリル画。「芸術表現の手段として、10代から絵を描いていました。市原に来て絵のアーティストになろうと思っていたほど。でも、最近は写真がメインです。絵を描くのには時間がかかる。最初は日々出会った風景や生き物を記録し後で楽しむ目的で写真を撮り始めましたが、徐々にレンズを通して見ることで、それまで見えなかった世界が見えることに気づきました。カメラを持って歩かないと、目に入るものしか見ない。それが『きれいなものを探して撮ろう』とカメラを手にしている時は、探し出そうと意識するので見えてくるものがある。たとえば、私は木が好きなんですが、そのステキさを伝えるには、どう撮ったらいいか考えながら見ていると、木の葉に当たる光の色は1時間も経つと変わっていくのが見えてくる。そこで、これを撮ろうとシャッターを切るんです」
撮影した写真はHPやフェイスブックで販売している。これまでにオランダの新聞やオーストラリアの自然保護団体から使用依頼を受けた。「私は千葉県の自然は本当に美しいと思っているので、まだ自然の美しさに気づいていない方が、私の写真をきっかけに自然の美しさに目を向けて頂けたら。ブログもやっているので、よろしければ見てください。風景の場合、広い所は横長の形が似合うが、私は総じて縦長の写真が好きです。例えば市原の場合、空がきれいなので谷津田の撮影なら谷津田を広く撮るより、空も入れて谷津田を狭く全体に縦長に撮った方がいいですね」と話す。
彼を知る千葉県を代表する写真家のひとり、石川松五郎さんは「日本人以上に日本人の心を持った人。普段の行動や作品からも、それは感じることができる。探求心が旺盛で、地元の人ですら足を踏み入れないような場所にも行ってみる人です」と評する。
デイモンさんの目標は「カフェの入口など、壁全面に1枚の大きな写真作品を展示すること」だという。
ウェブ http://damonbay.zenfolio.com/
フェイスブック https://www.facebook.com/DamonBayPhotography