正月料理のレパートリーを増やす

 正月の7日間は春の農業労働に備えて体力をつける期間。女性も炊事労働を休むため年の暮れに作る正月料理は、神様を祭り、高カロリー食品を取ろうとする古代の人々の生活の知恵。
 12月初旬、八幡公民館で『正月料理 手軽にできるおせち料理』が行われ20名が参加、8品の正月料理に挑戦した。講師は栄養士の木村みどりさん。今回は、定番料理の『伊達巻』、『たたき牛蒡』、『田作り』と7種の野菜を入れた『七福雑煮』の他に、『のし鷄』とつまみを2品、デザートに『甘酒かん』を作った。
 『のし鷄』は、鷄ひき肉とみじん切りにした野菜に、みりん、醤油、味噌などで味付けをして混ぜ、厚さ2cmにのして、ケシの実と青のり粉をふってオーブンで焼く。盛り付け時は扇面切りで。
 つまみは、ささみとザーサイの漬物、細ネギを塩とごま油で和えたものとユリ根を明太子で和えた『真砂あえ』。品数が多いので、スタートからとても慌ただしい。黙々とみじん切りをする人、力強く具材をこねる人など、手際よく自分の役割を見つけ「これ、私がやるね!」と声を掛け合いながらテキパキと行動する。活気溢れる雰囲気だ。あちこちから「先生!」と声が上がり、木村さんも忙しく動き回る。
 難しかったのは『伊達巻』。はんぺんと卵、砂糖などの調味料をミキサーで撹拌し、油をひいた卵焼き器に流し込んで約8分、蓋をして焼くのだが、火が強すぎると焦げてしまうし弱いとなかなか色がつかない。焼け具合を均一にするには、焼き網をガスコンロにのせ、その上に卵焼き器をのせる。そして、角にも火が当たるように時々動かす。底面がきれいに焼けたら、ぬれ布巾の上に卵焼き器を置き、蓋の上にクッキングペーパーを敷いてひっくり返す。ペーパーごと、再度卵焼き器で裏面も乾かす程度に焼く。焼きあがったら、焼き色のついた方を下にして包丁目を入れ、凹凸のある鬼スダレ(通常のスダレでも可)で巻き輪ゴムで止めてしばらく置く。
 『甘酒かん』は、生姜汁とクコの実をちらして固めることで見た目も香りもアップ。『田作り』のポイントは、五穀豊穣を表すごまめをレンジにかけ、パリッとさせること。そして、フライパンで煮立てた煮汁に火を止めてから入れる。ミックスナッツを入れるとまた一味違った食感が楽しめる。
 「『のし鷄』は簡単で見た目も味もセンスがいい。生姜とレンコンが効いていておいしい。上手にできましたよ」と笑顔で出来上がった料理を次々と運ぶ参加者たち。班ごとで食器や盛り付け方が異なると、また料理の雰囲気も違って見える。手作りの料理で正月を迎えるのもいいものだ。

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