今年もやったぞ!市原の芸術よ、ここにあり

写真上 岡さん

 5月2日(土)から6日にかけて、『アート市原2015春・晴れたら市原、行こう』が開催された。会場はアートハウスあそうばらの谷、旧里見小学校、旧月出小学校の3つ。それぞれの会場では、いちはらアート×ミックス2014に参加したアーティストが中心となって作品の公開制作や体験型のワークショップが行われた。
 旧月出小学校(月出工舎)では連日、『石釜の火で手作りピザを焼こう』や『つるぴか泥だんごづくりと土壁づくりのお手伝い』などのワークショップが開かれる中、5日に行われた藍染師、岡博美(おかひろみ)さんの『大きな布にみんなで絵を描こう』では、訪れた人々が自由な作風で周囲を湧かせた。数メートルに及ぶ長さの白い布に染料を使って絵を描く同ワークショップ。対象は小学生から大人までと幅広いこともあり、『柄』、『キャラクター』、『直感で描かれた絵』など個性的なものまで様々。「完成品は、月出工舎の日よけテントとして使われる予定になっていますので文字はやめようという約束だけあります。花だとか形が分からなくても、たくさんの色が描かれるだけでとっても綺麗なんですよ」と岡さんはスタート前から楽しそうに笑う。市川市から訪れたという夫婦は、「布に染料が滲むので少し難しいけれど、生け花風にしてみました」と話しながら筆を動かし、「これはピンクだけど雲なんだよ」とお互いの絵を楽しんでいた。
 5日と6日にわたって上映された『よほろ、村人と見る夢幻世界』は舞踏団トンデ空静によって、2014年白鳥公民館で撮影されたもの。地元の出演者や和楽器バンド『切腹ピストルズ』を含んだ総勢50名以上で、地域の営みを題材に踊りと音楽と美術に焦点を当てて挑んだ映像劇。3時間に及ぶ本編を90分に編集された同上映会は、教室いっぱいに並べられた椅子が満席になる大盛況。「地元の方との縁が繋がって、ここまでの大作ができました。気候も穏やかでのんびりしたこの地域の中、ユーモアの多い人々にとても興味を持ったのがきっかけです。変わっていく暮らし、変わらない暮らしの両方が存在するこの地に、こんなに素敵な人たちがいるんだと知ってもらいたい」と語るのは、同舞踏団率いる松原東洋さん。
 養老川上流の地域の村を想像したという自身が手掛けた原作の内容は、さて過去なのか未来なのか。演目は2幕に分かれており民謡にのせてストーリが流れていくが、松原さんが望むのは、「みなさんに好きに見てもらいたい」ということ。作品の鑑賞者は、「こうして市原の芸術が形に残されていくのは、とても嬉しいことです」と夢中に画面を見つめていた。市原の芸術を表す言葉を、来場者はどのように受け取ったのだろうか。

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