地域で誰もがスポーツを楽しめるように

市原市市議会スポーツ表彰 安倍(あんべ)保男さん、廣中(ひろなか)芳孝さん

 今年2月、市原市市議会の平成27年第1回定例会に先立ち、スポーツ表彰が行われ、多くの部門で個人・団体が表彰された。功労の部で表彰されたのは、ともに市原市スポーツ推進委員連絡協議会の委員を務める安倍保男さん、廣中芳孝さん(ともに60歳)だ。ふたりは協議会で同じ有秋地区担当。長年、ボランティアで地域のスポーツ振興にたずさわり、その功績が認められての表彰となった。「安倍さんは活動して30年、私は24年ですから、長く続けてきたご褒美かもしれません」と話すのは、現協議会副会長の廣中さん。
 ふたりは臨海の工業地帯に勤めている。若い頃から趣味でスポーツを楽しんでいたのがきっかけで、それぞれ知人にこの活動に誘われたという。「当時は体育指導委員といい、4年前にスポーツ推進委員へと名称が変わりました。市原の推進委員は約90名。市内10地区で、各年3つ以上のスポーツイベントと、市民体育祭を企画運営し、また、年代を問わず、多くの人が運動を楽しめるように、ニュースポーツ・軽スポーツの紹介と普及を手がけます。また、市主催のスポーツイベントも運営スタッフとして入ります。私は県のスポーツプログラマーの資格もありますので、その資格を活かした活動もしてきました」と前協議会会長だった安倍さんも話す。
 多くの推進委員は40代となってから参加する。安倍さんや廣中さんのように、30代で参加する人は珍しいのだという。「誘われたときは、たいしたことはしないから、と言われたんですが、これがまったく違った(笑)。仕事をしているので、実際にイベントの準備をするとなると時間が限られ、平日の夜も休日も、家族サービスよりこちらのほうに時間が取られてしまったり」と廣中さん。ふたりが所属する有秋地区では、小学校対抗のドッジボール、グラウンドゴルフ、芋掘りハイキング、ソフトバレーボール大会を季節ごとに毎年実施する。これに市民体育祭の競技大会をひとつ担当し、年度始めの4月から会場確保などの設営・運営の準備に入る。競技だけでなく皆が楽しめるようにと、吹奏楽の演奏やエイサーの舞台なども企画。ここで出演者や見学者も体験などでスポーツに参加できるようにもしているという。「参加者が多ければ多いほど大会は盛り上がり、皆さんに楽しんでいただけるのですが、運営側として一番悩むのは駐車場の確保ですね。選手だけでなく、家族や友人なども来場しますので、試合会場と隣接して広い場所がある施設は、非常に限られているんです。学校や各民間施設、公共施設など、様々な人たちが使用していますから、うまく日程を組むのもなかなか大変です」と安倍さん。
 さらに推進委員が携わる市のイベントは、年間5つ。新緑の時期のワンデーマーチ、紅葉を楽しむファミリーハイキング、軽スポーツのソフトバレーボール大会、サマーカップ野球大会、健康マラソン・駅伝大会で、協議会は8部会に分かれ、運営を担当する。ウォーキングのときは前もってコースを下見、道しるべなどカンバンを立てる作業や、当日に参加者と一緒に歩く、ゴールする参加者を迎える、などを行う。毎年、県外含め参加者が増えている高滝湖マラソン大会も、スタッフとして手伝うという。
「あとは、ニュースポーツ・軽スポーツで、講習を受けて体験イベントの企画ですね。子どもから年配の方まで、誰もが親しんで楽しめるスポーツを探して、提案します。市原では特にソフトバレーボールが盛んになりましたので、10年前、市内で協会の設立にも関わりました。好評のため何度もイベントを行って、愛好者が広がっていくスポーツもありますが、1回の体験で終わってしまうものもあります。特に、備品の調達が大変だったり予算がかさむものは、サークルとして活動する時に難しいので、参加者が増えない傾向はありますね。ただ、皆さんが面白い、と思ったスポーツは、自分たちが知らぬうちに参加者が増えていたりするので、そこは嬉しいですよね」と廣中さん。安倍さんも「協議会だけでなく、スポーツプログラマーとして、様々な競技の知識を吸収しに、いろいろな講習や研修を受けるのですが、保健の知識、指導方法の考え方など学んでいくのも面白いですよ。例えばスポーツ時の水分補給ですが、30年以上前とはまったく考え方が違っています。昔は練習中に水分をとれとは言われなかったのですが、今は積極的に薦められています。元気なシニアも増え、より健康志向が強まっていますので、怪我がしにくく、気軽に参加できるスポーツを、もっと企画できたらと思っています」と話す。
 取材した6月、有秋地区では恒例の3つの小学校参加によるドッジボール大会を開催。安倍さんも廣中さんも、事前の準備とともに、当日の試合の審判も担当した。子どもたちの気合いが入ったボールの応戦に、応援する家族や先生たちから激励の声が飛んで、熱気に包まれた会場の体育館は観客も多数。4年生の部では有秋西小のスピードファイター西チーム、5年生の部では有秋東小の有秋東フェニックスチーム、6年生の部では有秋西小のスーパーZ西チームが優勝して、例年のことだが非常に盛り上がった。「推進委員に参加して一番良かったのは、人との縁がたくさんあること」とふたりは言う。廣中さんは「職場だけでは限られる出会いも、同じ活動をする委員の人たちや、参加者とのふれあいなどで広がります」。安倍さんも「運営していて、ありがとうと言われるのが一番嬉しい。自分に合っているから続けてこられました。人とのつながりは財産ですし、他にない経験をさせてもらっていますね」。ともにあと数年の活動だが、自分にできることを精一杯やりたい、と笑顔で話すふたりは、還暦という言葉のイメージよりずっと若々しく、明るいエネルギーを感じた。

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