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ウクレレに初挑戦
- 2015/9/25
- 市原版, シティライフ掲載記事
南の島ハワイで生まれた楽器ウクレレ。弦が押さえやすく、コンパクトでキュートなボディと柔らかく心癒されるような音が魅力だ。ハワイ語でウクはノミ、レレは跳ねるという意味がある。日本にハワイアン・ブームが起こったのは1960年代。クラシックからロックまでオールラウンドに演奏できるとあって、当時を知る世代を中心に今でも人気がある。
9月から10月にかけて辰巳公民館主催事業『ウクレレに挑戦』(全5回)が開かれ、男女15人が参加した。担当職員によると「習いたいという希望が数件あったので初めて企画した」という。講師は山岸与一(79)さんと山岸さんが指導する同館のサークル『辰巳オールハワイアンズ』の会員10人。
初日の9月3日、まずサークル代表者の安居謙二さんから音楽の基本を教わった。楽譜の読み方や和音の成り立ちなどの話のあと、「木とナイロン弦でできているので、気温や湿度の影響を受けやすい。保管場所に気を付け、チューニングはこまめに」と楽器の取扱いも学んだ。
続いてマイクを握った山岸さんは「ソドミラ、つまりハナコサンというメロディでチューニングして」と音程には捕らわれない気楽な様子で話し始めた。胸のあたりで抱える持ち方を習い、参加者はとりあえず音を出してみる。左手で弦を押さえ、右手でかき鳴らすのはギターと同じ。配られた図表の見方がわからない初心者には、サークル会員が手を添えコードを教えた。
「ウクレレを弾こうよ ワイキキの浜辺で」と弾き語りをしながら演奏のコツを伝授する山岸さん。「コード運びは支える親指の位置を変えるとスムーズにできる」とのこと。右手のストロークを何度も繰り返し、「切りすぎた爪が痛い」と言う女性には「指の腹で弾いて」とアドバイス。すると女性の奏でる音は優しい響きに変わった。弾き続けて疲れたのか両手を振って手首をほぐしながら練習する男性もいたが、1時間ほどの間に参加者はコードを3つ覚え、『ハッピーバースデイ』のメロディにチャレンジした。
講座では、はじめて習う人のためにウクレレを貸し出したが、家から持参した人も多い。国分寺台に住む70代の男性は、「妻が若い頃買ったので50年物」という楽器を持ってきた。山木に住む女性の楽器は「亡くなった夫がハワイアンバンドで使っていた」そうだ。「昔の良い素材を使っていますね」とサークル会員に褒められると女性は嬉しそうな笑顔を見せていた。
「頭と指を使うから、認知症予防になります。弾けばそれなりの感じが出る。ウクレレを持ったら一緒に歌いましょう」と山岸さんは終始リラックスムードで声をかけていた。最終回で同館文化祭(10月17日)の舞台に立つのが目標。サークル会員募集中。