ウクレレに初挑戦

 南の島ハワイで生まれた楽器ウクレレ。弦が押さえやすく、コンパクトでキュートなボディと柔らかく心癒されるような音が魅力だ。ハワイ語でウクはノミ、レレは跳ねるという意味がある。日本にハワイアン・ブームが起こったのは1960年代。クラシックからロックまでオールラウンドに演奏できるとあって、当時を知る世代を中心に今でも人気がある。
 9月から10月にかけて辰巳公民館主催事業『ウクレレに挑戦』(全5回)が開かれ、男女15人が参加した。担当職員によると「習いたいという希望が数件あったので初めて企画した」という。講師は山岸与一(79)さんと山岸さんが指導する同館のサークル『辰巳オールハワイアンズ』の会員10人。
 初日の9月3日、まずサークル代表者の安居謙二さんから音楽の基本を教わった。楽譜の読み方や和音の成り立ちなどの話のあと、「木とナイロン弦でできているので、気温や湿度の影響を受けやすい。保管場所に気を付け、チューニングはこまめに」と楽器の取扱いも学んだ。
 続いてマイクを握った山岸さんは「ソドミラ、つまりハナコサンというメロディでチューニングして」と音程には捕らわれない気楽な様子で話し始めた。胸のあたりで抱える持ち方を習い、参加者はとりあえず音を出してみる。左手で弦を押さえ、右手でかき鳴らすのはギターと同じ。配られた図表の見方がわからない初心者には、サークル会員が手を添えコードを教えた。
 「ウクレレを弾こうよ ワイキキの浜辺で」と弾き語りをしながら演奏のコツを伝授する山岸さん。「コード運びは支える親指の位置を変えるとスムーズにできる」とのこと。右手のストロークを何度も繰り返し、「切りすぎた爪が痛い」と言う女性には「指の腹で弾いて」とアドバイス。すると女性の奏でる音は優しい響きに変わった。弾き続けて疲れたのか両手を振って手首をほぐしながら練習する男性もいたが、1時間ほどの間に参加者はコードを3つ覚え、『ハッピーバースデイ』のメロディにチャレンジした。
 講座では、はじめて習う人のためにウクレレを貸し出したが、家から持参した人も多い。国分寺台に住む70代の男性は、「妻が若い頃買ったので50年物」という楽器を持ってきた。山木に住む女性の楽器は「亡くなった夫がハワイアンバンドで使っていた」そうだ。「昔の良い素材を使っていますね」とサークル会員に褒められると女性は嬉しそうな笑顔を見せていた。
 「頭と指を使うから、認知症予防になります。弾けばそれなりの感じが出る。ウクレレを持ったら一緒に歌いましょう」と山岸さんは終始リラックスムードで声をかけていた。最終回で同館文化祭(10月17日)の舞台に立つのが目標。サークル会員募集中。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る