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中国の少数民族に魅せられて『茶馬古道』と棚田を4年越し撮影 夢ホールで写真展開催
- 2015/10/9
- 市原版, シティライフ掲載記事
写真上↑ 神の湖、聖湖の管理人。回転させた数だけ、経を唱えるのと同じ功徳があるとされる。マニ車を持って
市内柳原在住の加賀淺吉さん(74)が、10月16日(金)から21日(水)まで、更級にあるTTECビル1階夢ホールで写真展『雲南・西蔵(チベット)ルート 四川・西蔵ルート 棚田(雲南省)元陽県・紅河県』を開催する(10~18時)。
展示内容は、加賀さんが2005年から2008年にかけて撮影した、中国の茶馬古道と少数民族、そして2013年に世界遺産に登録された元陽県や紅河県の棚田の写真作品約130点。
若い頃は神社仏閣が好きで撮影の対象としていたと加賀さん。「40年ぐらい前にNHKで放映されたシルクロードの番組を見て憧れるようになり、色々な本を読んでいるうちに、少数民族のことを知り、興味を持った」。そして、61歳の時、経営する鉄工所を息子に譲り、撮影旅行に。まずは、キルギス、ネパール、ウズベキスタン等、中央アジアの少数民族の撮影を。
「シルクロードに憧れていたけれど、もうあの頃には観光地化されていたので、行きたいとは思わなかった」と話す。その後、訪れた中国でガイドから、「中央アジアを横断する古代の東西交通路、シルクロードが表街道なら、茶馬古道は裏街道。中国の南西部からチベットにかけて3千キロ以上に渡って続く古道。千年以上前からチベットと中国が茶の交易を行ってきた。チベットでは自国で育たない茶葉を中国から輸入し、馬や薬草、毛皮などと取引した」と茶馬古道のことをおしえられ、走破しようと決めた。
茶馬古道は2コースあり、雲南から普蘭までの5千キロと、四川からチベットまでの3500キロ。現地でガイドと運転手を雇い、四駆で移動。その距離は3万5千キロ。両コースを7回に渡り、最も長い時には54日間かけて撮影した。撮影枚数は延べ2万枚以上。
標高約5千メートルの高地を越えたり、断崖絶壁が続く道を通ったことも。「成田から北京や広州などに行き、飛行機で昆明へ。そして古くからチベットの政治的中枢都市の拉薩へ飛行機で行き、標高3600メートルなので、これから向かう更に高い標高地越えに備えて、数日滞在して、高山病にかからないよう高地順応して身体を馴らした。拉薩からは車で移動」。その一方で1日で標高2500から3千メートル上下する移動もあり、「上では吹雪、下では半袖ということもあった」という。
現地での生活については「宿泊所があっても、ただ眠れる場所というだけ。それもダニがいて不衛生なので、持参したシートを身体に巻き付けて眠ったり、トイレはなく外で用を足す。電気は通じてるにしても、いつ停電になるか分からない代物。水道も飲料にはできず、都市部で調達したペットボトルの水を調理や飲料に使った。シャワーは町の宿ではあったが、半分くらいは水が出なかった」と振り返る。
撮影旅行の足となる車には、野宿することも考えて、テントや水、非常食を常備した。「情報が入手できず、通行止めにでくわしたり、予定外の出来事でルートを変えたりで、宿がない場所で寝ることもあるから」そんなことは苦にもならないといった様子で語る加賀さん。
都市部であれば通じる中国語も、少数民族にはほとんど通じない。また、雲南省だけでも26部族ある少数民族の言語は、それぞれに異なる。通訳も兼ねるガイドですら2、3の部族の言葉しか話せない。だから、加賀さんが少数民族の人々の中に入る際には、その部族の2つの言葉、「こんにちは」、「ありがとう」を覚えた。加えてボディランゲージも。更に、「彼らに上から目線で接しなければ、皆、受け入れてくれた」とのこと。
これまでに、都内や故郷の山形県村山市等で展示会を行った。2012年には、作品は写真集として出版した。今回の作品展を集大成としたいと加賀さん。今後は、国内の沿岸部を撮影対象にしたいそうだ。
問合せ 加賀さん
TEL 0436・36・3111
TEL 090・8595・5238