袖ケ浦の魅力を探して

 袖ケ浦市郷土博物館で、市民学芸員による企画展『ふるさと袖ケ浦-人・くらし・風景-』が4月5日(日)まで開かれている。歴史や伝統、農産物など長浦、昭和、根形、平岡、中川・富岡の地区それぞれが有する特色に焦点をあてた展示会だ。ボランティアで活動している市民学芸員が、地域の人々から直接話を聞いたり、関連のある事柄を調べるために他県へ足を運んだりして資料を集め、まとめた成果を発表している。「袖ケ浦市の魅力を多くの人々に伝えたい」そんな思いがひしひしと伝わってくる。
 展示の一部を紹介しよう。まずは根形の旧家に伝わる、作風の異なる2種の欄間。江戸末期から明治時代にかけて活躍した後藤傳吉郎藤原住兼(ごとうでんきちろうふじわらのすみかね)が彫ったもので、ダイナミックな『向龍』、松竹梅と老夫婦、鶴と亀を描いた、能の作品のひとつである『高砂』の装飾技術は一見の価値あり。
 中川・富岡地区のコーナーでは、昭和22年頃に横田の農家で働いていた人気画家、山下清の作品と彼が滞在中に綴った日記、関わった人々などを紹介。農家に残していった下駄や停電時に使用したランプの展示も。
 富岡製糸場が明治5年に開業し、昨年、世界遺産に登録された。実は君津市小櫃地区にも大きな製糸場があり、昭和初年頃まで、袖ケ浦市域の農家から多くの繭が出荷されていた。昭和地区のテーマは養蚕業。養蚕の手法と、飼育カゴや効率よく繭作りさせるために利用された回転まぶしなどの道具が展示されている。
 袖ケ浦公園敷地内にある同博物館には散歩途中にふらっと立ち寄る来場者も多い。初日は約180名もの人が訪れた。やはり散歩がてら来場した男性は「城に興味があるので中世城館跡の展示は面白かった」と話した。戦国時代、小さなものも含めて14もの城が存在していたことが判明している。現在の長浦駅辺りにあったとされる久保田城跡からは皿の破片やすり鉢、通貨が、蔵波城跡からは弥生土器が出土している。久保田城は後北条氏の、蔵波城は里見氏の最前線の拠点として機能していたとされる。
 3月1日(日)には関連した3つのイベントが行われる。一つめは平岡地区に伝わる民話『佐吉の犬』、『坊さんの目薬』、『三夜様』をスクリーン紙芝居にしてお届け。県立袖ヶ浦高校美術部の生徒など、地域の人々からの協力を得て作られたもので、同企画展でもパネルを展示している。10時半からと13時半からの2回上映。二つめはふわふわと可愛い繭人形作り。11時半から15時まで。三つめは滝の口在住の鈴木弥須生さんによるギャラリートーク『小高神社と滝の口の人々』。12時から。ヤマトタケルノミコトを祭神とする小高神社で平成20年まで続いていた神楽の映像と、使用された獅子舞の展示は同企画展にて行われている。

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