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心の緊張を介護者居酒屋でほぐしてみようよ
- 2017/3/3
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市原市辰巳台では隔月に1回寿司屋さんの2階で『介護者居酒屋』が開催され、介護者や関係者が食事をしながら気軽に介護を語り合っている。昨年3月にスタートした介護者居酒屋には毎回10数人が集り、またインターネットの無料電話を利用して遠方の介護者と映像を繋ぎ、その場に来られない人とも会話を楽しんでいる。
会の発足に尽力した市原市認知症対策連絡協議会の事務局長で、言語聴覚士である安田清さんは、「協議会の新規プロジェクトとして始めました。2年前認知症の人とボランティアがおしゃべりをするテレビ電話支援会(NPO一歩一歩)を開始したのですが、そこで気づいたのは介護をしている人たちがより会話を欲している事実です」と話す。
デイサービスを利用するなど、患者側は比較的会話の場を持つことができる。だが、介護側は世話をすることに一生懸命になるあまり、苦痛を声に出すことさえためらう人がいる。認知症の患者は増加の一途だが、未だ完治する治療法はない。「介護をするのは大変で性別は関係ありません。それでも特に来て欲しいな、と思うのはまだ若い勤務中の介護者や、男性介護者です。ちょっとお酒を飲みに行くかという感覚でいいんです」と安田さんは訴える。
また、介護者同士で「うちはこうやっているよ」という情報交換するだけではなく、訪問看護師やケアマネージャーも参加しているので介護保険など支援制度についても気軽に聞くことができる。「私も看護師をする傍ら、義母の介護をする身で参加しています。みなさんの話を聞くと、介護ではみんな同じだな、頑張ろうと力をもらえます」と話す。
暗い話をすることもある。しかし同じ話をするにしても、2人で話すと深刻になってしまうことが、数人で話すと笑いが起こるというのだから集団の力と言うのは不思議である。
市内在住の嶋田政樹さんは妻の介護をしている。「ここに来て悩みを話すと、大概みんな同じ経験をしています。笑うことはストレス発散になります。世間では溜めこみすぎておおごとにしてしまうことも少なくありません。ただ、私は娘に代わりを頼んで出かけてこられますが、そういう人ばかりではない。その解決法も必要だと思います」と切実な意見を真剣に語った。
取材日には、居酒屋のスクリーンと映像を繋いだ木更津在住の男性が、介護中の妻の隣に仲良く座りながら、訪れた人々と会話を楽しむ姿も見ることができた。少しでも介護者の視界を広げ、ふっと息を抜く瞬間は必ず必要なのだろう。
現在、介護者居酒屋は辰巳台のみで行われているが、安田さんは関係者の協力で今後は市内各地にできることを期待している。奇数月第2土曜日18時の開催で会費は2千円。詳細は問合せを。
問合せ 嶋田さん
TEL 0436・25・1734