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季節のスケッチ
- 2018/4/20
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俳画と文 松下佳紀
咲く花は必ず散る。バラも牡丹もタンポポも。花により散り方は様々だ。音声にすれば、はらりとかぽとりとかちらちらであるが、散り際のいいのは、ぱっと散る桜だろう。落花、飛花、花吹雪と多くの日本人が散る花を惜しみ、また愛でる▼椿は花弁が厚く花芯も重いので、ぽとりとかばさりと独特の落ち様をする。それを武士は首を切り落とされたかのように思い、忌み嫌ったという逸話もある▼さて、私が道端に屈みタンポポをしげしげと眺めたり、落椿を拾い上げ、その色や形を観察し、匂いまで嗅ぐのは全て俳句のためだ。私は正に俳句馬鹿。重い俳病にかかっているので人様から見ると変人に見えるかもしれない。すでに私と世間とのズレは、かなり…。