ナミハンミョウ 里山の宝石が飛び交う

 川のせせらぎを聞きながら里山の道を歩いていると、宝石のように色鮮やかに輝くハンミョウが、突然、フワッと目の前から飛び立ちました。少し歩き近づくと、また、飛び立ち、先へと飛んでいきます。まるで人を先導しているようであることから、「道教え」「道しるべ」と言われています。
 ハンミョウは日本に20種類以上いると言われ、その代表がナミハンミョウ。ハンミョウ科の甲虫で体長約2㎝。体色は、群青、青緑、朱の帯に白紋などが入り交じり、金属光沢を帯びています。タマムシと並んで日本に生息する華麗な甲虫であると思いますが、それとは裏腹に肉食で獰猛です。
 ハンミョウは、和名で「斑猫」と書きます。獲物に襲い掛かり鋭い大アゴでくわえる姿が、まるで猫のように見えることに由来しており、英語名では「タイガービートル」と呼ばれています。その名のとおり、俊敏な動きで地面を走り回り、大きく鋭いあごで、アリなどの小さな昆虫を仕留めます。幼虫も肉食で、平地の固い地面などに垂直に小さな穴を掘ってその中に住んでいます。獲物を捕らえるのは、成虫のように走り回らず、待ち伏せの一手です。12個もある目で獲物を見逃さず、瞬時に穴から出て獲物を捕らえます。
 子供の頃、畑の中にある平らで固い地面に空いている小さな穴に、ニラの葉などを差し込み、「ニラムシ釣り」をして、遊んだことがありましたが、その虫がハンミョウの一種である「ニワハンミョウ」の幼虫と知ったのは、つい最近でした。その畑で、巣を探しましたが、残念ながら見つけることはできませんでした。
 近年、ハンミョウが巣穴を作る畦道などの里山の道は、アスファルト舗装化などによりなくなっているため、個体数の減少とともに生息域が狭くなっているとのことです。ハンミョウが無数に飛び交う里山の環境を地域の財産として、次世代に引き継いで行きたいですね。
(ナチュラリストネット/時田良洋)

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