ふるさとビジター館 いちはら自然探訪

ヒイラギ
年の瀬が近づいた雑木林の散策路で、クリスマス飾りのトゲトゲのヒイラギを見たくて近寄ってみた。枝先に付いていたのは赤い実でなく白い花だった。
モクセイ科モクセイ属のヒイラギ(柊)は樹高2~6メートルの常緑小高木。花期は11~12月。枝先の葉腋に大きさ5ミリぐらいの白花が束生する。花冠は4裂、裂片が反り返る。雌雄別株で雄しべは2個。雄花の雌しべは小さく結実しない。雌花の雌しべは長く突き出た両性花。葉は対性で3~7センチ、光沢があって固く厚い。
葉の先端に刺状の歯牙が2~5対あれば若木。老木は、全縁でトゲトゲのない楕円形になる。結実すれば6月ごろ黒紫色に熟す。鋭い刺に触れてズキズキ痛むことを疼ぐ(ひいらぐ)といい、これから名をとったという。
外国にはセイヨウヒイラギ、アメリカヒイラギというものがある。モチノキ属の別種だが、トゲトゲの葉が似ていることからヒイラギの名がある。これがクリスマス飾りの正体で5月に白花が咲き、11月に赤く結実する。
日本のヒイラギは節分に枝葉を戸口・門口に挿すと邪鬼を防ぐという風習から、庭木や垣根に使われる。モクセイ属なのでキンモクセイほどではないが芳香もある。年の瀬に白い花が見られ、香りが楽しめるのも市原の自然が豊かな証。いつまでも大切に残していきたい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】日展 彫刻 2023年  都内六本木の国立新美術館にて、11月1日(金)から24日(日)まで『第11回日展』が開催…
  2.  秋の里山では、山の幸クリの殻斗(いが)の棘が茶色く変わり始め目立つようになる。葉が覆い茂っている林では見分けにくい。花が咲く6月と殻斗が割…
  3. 【写真】初日に行われる華やかな「時代絵巻行列 山鉾・山車の巡行」  10月5日(土)、6日(日)に市原市更級にある上総更級…
  4.  いすみ市大原駅近くにある、工芸品の展示販売を行う古民家ギャラリー『北土舎(ほくとしゃ)』他で、特別展『琉風(りゅうかじ)』が開催される。1…
  5. 【写真】Frederic Edward Weatherly『Peeps into Fairyland(妖精の国を覗き見る)』 …
  6.  市原市アーチェリー協会主催の1日体験教室『60歳からのアーチェリー』が10月16日(水)に開催されます。場所はゼットエー武道場。県内でも数…
  7. 【写真】お店の前で。『十五や』のTシャツを着た藤本さん(後列中央)と田頭さん(右隣)  緑豊かな市原市東国吉で、県道21号…
  8. 【写真】本祭の武者行列で本田忠勝に扮する渡辺正行さん  第50回大多喜お城まつりが10/12(土)・10/13(日)の2日…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】本祭の武者行列で本田忠勝に扮する渡辺正行さん  第50回大多喜お城まつりが10/12(土)・10/13(日)の2日…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る