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ふるさとビジター館 いちはら自然探訪
- 2019/12/12
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ヒイラギ
年の瀬が近づいた雑木林の散策路で、クリスマス飾りのトゲトゲのヒイラギを見たくて近寄ってみた。枝先に付いていたのは赤い実でなく白い花だった。
モクセイ科モクセイ属のヒイラギ(柊)は樹高2~6メートルの常緑小高木。花期は11~12月。枝先の葉腋に大きさ5ミリぐらいの白花が束生する。花冠は4裂、裂片が反り返る。雌雄別株で雄しべは2個。雄花の雌しべは小さく結実しない。雌花の雌しべは長く突き出た両性花。葉は対性で3~7センチ、光沢があって固く厚い。
葉の先端に刺状の歯牙が2~5対あれば若木。老木は、全縁でトゲトゲのない楕円形になる。結実すれば6月ごろ黒紫色に熟す。鋭い刺に触れてズキズキ痛むことを疼ぐ(ひいらぐ)といい、これから名をとったという。
外国にはセイヨウヒイラギ、アメリカヒイラギというものがある。モチノキ属の別種だが、トゲトゲの葉が似ていることからヒイラギの名がある。これがクリスマス飾りの正体で5月に白花が咲き、11月に赤く結実する。
日本のヒイラギは節分に枝葉を戸口・門口に挿すと邪鬼を防ぐという風習から、庭木や垣根に使われる。モクセイ属なのでキンモクセイほどではないが芳香もある。年の瀬に白い花が見られ、香りが楽しめるのも市原の自然が豊かな証。いつまでも大切に残していきたい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)