自然の地形を活かしたトレッキングロード のみがね峻道で秋を満喫 ~のみがね会~【長南町】

 長南町の野見金山に、全長1.4㎞のトレッキングロード『のみがね峻道』が完成した。地元有志が結成した『のみがね会』が、約4年の歳月をかけ整備した手作りの道だ。10月16日(日)に野見金公園で開催された竣工記念祭は、町長をはじめ多くの来賓と大勢の参加者でにぎわった。同会会長の広田元一さんは「メンバーのケガもなく峻道を完成させることが出来たのが何よりです。落ち葉を踏みしめ小鳥のさえずりをききながら峻道を歩き、みなさんの健康保持、増進につなげていただきたい」と挨拶で会場に語りかけた。

地元を愛する有志が集結

 『のみがね会』の会員は現在18名で、平均年齢は73才。長南町水沼地区の住民有志が、「自分たちの地域をもっと知ってもらいたい」と野見金山の遊歩道整備を発案し、その案件が町の『町民提案事業』に採用されたのが2018年4月のことだ。

 野見金山は標高180m、その中腹に浅間神社がある。峻道は第1期工事で、浅間神社参道入口から浅間神社を通り、不動の滝までを結ぶルートが整備された。不動の滝は、野見金公園の駐車場から野見金山の麓の車道を南東方向へ道なりに約600m、浅間神社参道入口はその先さらに800mに位置する。浅間神社参道入口から野見金山へ上る道は、古来より大多喜から鶴舞(市原市)に抜ける街道として利用されていた。峻道の整備はまずこの古道の倒木や枯れ枝などを取り除き、砕石を敷き軽自動車が通れるようにすることから始まった。古道から神社までの道には新しく階段を敷設。神社から不動の滝までのルートでは、けもの道を切り開き、不動の滝付近では硬い岩盤層の難工事となった。環境のため資材の再利用に努め、地形を変更せず、なるべく木を切らないようにとルートを定めた。当初は『遊歩道』としていた呼び名を『峻道』と改めたのは、道の険しさのためだ。

 2021年11月に第1期工事が終了し地域住民に披露したところ、「コースを野見金公園まで伸ばしてほしい」との声が上がった。そこで第2期工事として、不動の滝へと道が下る地点から野見金公園までの400mを延伸することとなった。その工事も2022年7月に完成。竣工祭までには町によって道案内の看板も設置された。広田さんは、「今考えるとよく造ったなと思います。月に1回のペースで丸1日作業をして、その後の反省会で『次はこんな道具が必要だね』『このルートは険しいから変更しよう』などと話し合いました」と振り返る。

是非、長南町へ!

 峻道整備のために発足したのみがね会だが、高齢者世帯の草刈りの手伝いや老人クラブを招いてのイベントなど、その他の活動にも忙しい。特に秋は、会で栽培している安納芋や枝豆の収穫もあり、毎週のように作業を行う。同会参与で会の発起人でもある古市仲司さんは、「町は過疎化が進んで、住民同士が無関心になってきています。みんなが活き活きとした生活を送るために、困っている人を手伝い助け合っていきたい」と語る。これら地域での活動と環境への取組みが、『誰一人取り残すことなく持続可能な世界を実現する』というSDGsの理念に沿い、会は2022年2月、『ちばSDGsパートナー』として登録された。

 竣工記念祭では、のみがね会がイノシシの丸焼きやイモ煮汁を無料で提供し、会場には長い列ができた。会では野見金公園の初日の出や『さくらまつり』でもボタン汁や焼き芋などをふるまう。「ひとりでも多くの人に長南町に来ていただけるよう、いろいろとおもてなしをしたいと思っています」と広田さんは話す。

 出来上がった峻道は、狭い尾根をつたう『ロープの径』、アクセントの効いた赤い手すりの階段の道、視界が開ける場所では太平洋までの眺望と、変化に富んでいる。『天狗の腰かけ』や『おむすび広場』など、メンバーが凝らした趣向もあちらこちらに。竣工祭の日、峻道のベンチで一休みしていた男性は、「どの登坂口にも杖の置き場があって助かります。神社にお参りも出来て、ベンチもたくさん備えてあっていいですね」と心地よさそうに笑った。2度目の登坂という女性は、「風の通りが良くて気持ち良かったです。いろいろな季節を楽しみに、友人を連れてまた来たいです」と声を弾ませていた。

 野見金公園の駐車場から浅間神社参道入口、浅間神社、野見金公園へとゆっくり歩くとおよそ90分の行程。もちろん野見金公園や不動の滝から歩き始めても、ルートは自由だ。靴と服装は山歩きに適したものを。雨上がりは足元の落ち葉が滑りやすいのでご注意を。秋の1日、峻道に注がれた尽力に思いを馳せながら、色づき始めた森を歩いてみるのはいかがだろう。

 

問合せ:のみがね会
Tel.0475・46・0213

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