春の野草を食す
- 2013/5/10
- 市原版
春の野草を食す
4月28日(日)に東国吉遊育の森で、春の野草を観察、採取し、料理していただくというイベントが行われた。参加したのは『NPO法人市津・ちはら台自然楽校』の小学生から中学生までの会員とその保護者、一般参加の5家族と5名のボランティアスタッフを含む約40名。平成17年に小学生の子どもを持つ11家族で立ち上げた同校。高田のどんぐりハウスと昨年10月にオープンした東国吉遊育の森を拠点として自然体験を主とした活動を行っている。
理事長の赤松鐵雄さん(67)は明るく言う。「目的は子どもたちを成長させること、それだけです」 天気にも恵まれた当日は6年生の班長が司会を務める同校のセレモニーでスタート、『こいのぼり』を合唱した。「気をつけ!」、「休め!」赤松さんが笑顔で勢いよく号令をかける。「触って、匂いをかいで。野草を感じてみて」との言葉の後、野草採りに出発。まずは白い根っこの部分をみそ和えやみそ汁の具にするノビル。カキの葉は小さめでうすい緑色のものがおすすめ。「天ぷらにするとポテトチップスよりおいしいよ」まさにその言葉通りだった。ミツバとワラビ、タラの芽も天ぷら用に採取。「野草を踏まないでね。ゆっくりと探すんだよ」と声をかける。
最後に山道に入り、サンショウとヨモギを摘む。野草でいっぱいになったざるを手に戻ったら、班に分かれて調理開始。上記のメニューのほか、予め採取していたウドのきんぴらと酢みそ和え、セリの胡麻和え、筍ご飯などがテーブルに並んだ。デザートは高学年の会員がヨモギをすりつぶして粉と混ぜて作ったよもぎ団子。太陽の光の恵みをいっぱい受けて育った採りたての野草はとてもおいしい。一番人気はやはり天ぷら。「葉っぱが天ぷらになると思わなかった。他の葉も食べてみたい」と男の子。
食事と片付けの後は沖縄から取り寄せたサトウキビの苗を植えた。茎を丸かじりにしたり、ジュースにして天然の砂糖を味わってみたいというチャレンジ企画だ。「まっすぐしっかり植えて」時には厳しい口調で指導する赤松さんを子どもたちは心から信頼しているようだ。
最後のプログラムはちょっとした遊び。絵を描いた紙皿の真ん中にペットボトルのふたを貼る。「何作るの~?」、「UFOだよ」首をかしげながら作業を進める子どもたちだったが、竹ひごで紙皿の中心を支えるとクルクル回るUFOのできあがり。みんな夢中になって回していた。細かい指示は出さない。子どもたちは様々な体験を通して自ら考え、助け合うことを覚える。青空の下で気持ちよさそうに走り回る子どもたちはたくましく育ってゆくことだろう。