デフリンピックを広めたい

デフリンピックを広めたい
砂浜の練習が私を強くしてくれた
元デフビーチバレー選手 會本 聡子さん

 健康的に日に焼けた肌を持ち、はにかむような笑顔を浮かべるのは會本聡子さん(30)。2012年トルコで開催された第1回デフビーチバレーボール世界選手権で9位タイとなり、昨年市原市表彰を受けた。デフバレーとはデフ(聴覚障がい者)によるバレーのことで、デフリンピックとは4年に1度、世界規模で行われる聴覚障がい者のための国際総合競技大会のことである。
「室内で6人制のチームで行うバレーボールを始めたのは中学生の頃。大学を卒業して社会人になってもバレーを続けていた私は、チームメイトからビーチバレーをやってみないかと誘われた。ビーチバレーは砂浜で、ペアで対戦するバレー。本当に軽い気持ちで始めた」と會本さんは手話で話しながら、過去を手繰るように首を傾げる。
 自らの性格を『マイペースだけど猪突猛進タイプ』と分析する通り、生まれつき耳が不自由だったが、ビーチバレーへの真っ直ぐな想いが確固たる結果を作り上げた。「練習は毎週土日にビーチで行う。熱海で合宿したり、神奈川県の鵠沼海岸に行ったり。海辺は風があって運動しても気持ちがいい」という。照りつける太陽の下、ボールを追って手を伸ばす。夏は暑さに必死で水分補給をし、冬は帽子やネックウォーマーで防寒対策をする。寒い時こそ、自分の苦手な部分を磨くことに集中した。
 だが、土日の練習は遠征が多く、仕事と両立することはとても大変だった。体調管理を怠るとどちらにも支障をきたす。それでも続けられたのはなぜか。「最初は負けたくない気持ちと、認められたい想いが半々だった。相手が求めていることが分かるのに動けなくて悔しかった。ペアでコミュニケーションをとり、納得のプレーができるまで繰り返した」と話し、會本さんはデフリンピックで得た賞状を手に笑顔を向ける。日本デフバレーボール協会が主催する2008年第1回デフビーチバレーボールカップで優勝、翌年の第2回では2位という好成績を納めている。
 そして、「私の欠点は自分に甘く、6人制のバレーではみんなでやるため人任せにしてしまうこともあった。でも、ビーチバレーで精神面がとても強くなった。選手交代なく2人で全部やる。しんどいけど楽しいもの。それに、インドアとビーチ両方の良い所が分かり視野が広がったし、色んな人に出会えたことが嬉しい」と続ける。
 現在はペアを解消しスタッフとして動いている會本さんだが、「ペアでもまた挑戦したいし、デフリンピックを広めたい。現在、聴覚障がい者は健常者に混じってプレーすることが多いので、デフだけのチームも作りたい」とやりたいことは盛りだくさんだ。明るい笑顔とビーチバレーへの強い想いを胸に、マイペースに歩んでいって欲しい。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  「全然当たりません。どこがいけないですか?」「どうしたらもっと飛びますか?」と、自分から熱心に質問したり、ボールを入れた籠が空になるま…
  2.  今年の梅雨前線は活発化と停滞によって、南九州に集中豪雨をもたらした。一週間で1カ月分の雨量が降ってしまった場所もあるという。地盤が多量…
  3.  ふらりと入ってきた男性が、食い入るように海の生物たちの絵画を眺めて歩き、呟いた。「水族館に来たみたいだ」。田園の美術館(いすみ市郷土資料…
  4. ハンノキ  夏の眩しい陽光を浴びて輝き、風に揺れるハンノキの葉を見ていると、どことなく風情を感じます。市内では、長年放置された休耕田や湿…
  5.  長生郡長南町在住の田邉智和さんは、昨年10月に福井県で開催された第18回全国障害者スポーツ大会『福井しあわせ元気大会』の一般卓球部門に千…
  6.  市原市バスケットボール協会は昨年度、創立50周年を迎え、8月末グランドホテルにてご来賓の方々をはじめ役員、選手と多くの懐かしい顔ぶれに大…
  7. 『オペラ』は敷居の高い芸術…。そんな一般的イメージを払拭するかのように老若男女が楽しみながら和気藹々と稽古し舞台を重ねる『勝浦歌劇団』。総…
  8. ~助けていただいた命~ 私には4人の子どもがおりますが、3番目の子どもが妊娠4カ月の頃、切迫早産で大量出血し、緊急入院したことがありました…
  9.  千葉市文化センターを拠点に稽古を行い、年に一度3月にオリジナル作品を公演している『ちばシニア劇団PPK48』。50歳以上のシニアを中心…
  10. アサギマダラ  渡りをする謎多き美しいチョウ、アサギマダラ。名前の由来は翅の模様が浅葱色(あさぎいろ)と呼ばれる青緑色と、黒い顔に白斑のマ…

ピックアップ記事

  1.  「全然当たりません。どこがいけないですか?」「どうしたらもっと飛びますか?」と、自分から熱心に質問したり、ボールを入れた籠が空になるま…

イベント情報まとめ

  1. ◆サークル 国際交流・市原市オリンピック準備委員会 月2回 姉崎地区(海外と交信あり) 外国人と定期的に交流したい、その準備のために英語…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る