馬が主役の展覧会

 市原市山口にある乗馬クラブ、長谷川ライディングファームでは、5月11日まで『馬の3大芸術の競演』が開催されている。作品はチェーンソーカービング世界大会3連覇の経験を持つ市原市在住、栗田宏武さん作の馬の木像、埼玉県在住のJRA公認プロカメラマン、太田宏昭さんが、ばんえい競馬をテーマに撮影した写真、『光と砂』。そして、馬の絵を専門に描き続けている東京都在住の長瀬智之さんによる油絵の3種類。
 栗田さんの作品は、イチョウ、スギ、ケヤキの木を馬の形にチェーンソーで彫ったもの。ダイナミックさと繊細さを併せ持つ。後ろ足で立ち上がり、今にも動き出しそうな馬の木像と頭像が展示されている。
 ばんえい競馬は2006年まで北海道4カ所で行われていた。騎手を乗せてそりを曳き、速さを争う競技。農耕馬がルーツで、大きくて力のある馬同士の闘いだ。現在は北海道帯広市の十勝でのみ開催されている。そんな競走馬が凛と佇む姿や、吹雪の中を騎手とともに走り抜ける迫力のある写真を見ることができる。雑誌、広告の仕事で幅広く活動中の太田さんは2013年有馬記念のポスターの写真も手がけた。
 世界でも評価の高い長瀬さんが描く馬は、筋肉のひきしまった美しくしなやかな肢体、やさしい瞳が印象的だ。2011、12年の全日本馬術選手権では、馬場、障害の優勝者に彼の油絵が副賞として贈られた。
「乗馬を通じた社会貢献がモットーです。馬とのふれあいは心を豊かにしてくれる。また、ファームを中心に良いものを広く伝えていきたい。今回の作品展は、世界レベルの3アーティストの競演。素晴らしい芸術を楽しんで下さい」と取締役社長の長谷川一誠さんは気さくに笑う。取材当日は市原市内のそば店主による手打ちそばの実演と販売も行われた。同ファームで行うイベントやスタッフ手作りの竹・木製の花器台販売による収益金の一部、または全額を東日本大震災被災者への寄付に充てている。
 山々と美しい花、大自然に囲まれた長閑なファームでは引き馬、体験乗馬もできる。一度訪れてみてはいかが。

問合せ 長谷川ライディングファーム
http://www.hrf.co.jp

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