『今年の一皿』に選ばれたジビエ料理を一流シェフから学ぶ

 千葉県のサル・シカ・イノシシなどの有害鳥獣の農作物への被害は増加しており、それが原因で、農家の生産意欲が失われ農地の耕作放棄の一因にもなっている。県内のイノシシによる農作物の被害は、平成20年度に約1億7千万円、鳥害獣被害全体の65%を占めているという。市原市でも南部を中心に被害が広がっており、市は有害獣捕獲事業、鳥獣被害防止総合対策事業、狩猟免許取得補助事業、檻罠購入補助事業などの取り組みや支援を行っている。
 また、市原市ではこれまで捕獲したイノシシは土中に埋めたり自家消費していたが、一昨年12月に野生獣解体処理施設をもつ大多喜町と協定を結び、イノシシ肉を食用にし、『中房総地域のブランド品』として、共にメニューの開発や販売を進めることにした。その一環で、市内の飲食店でも活用してもらおうと、昨年11月末、市原市主催で『ジビエ(イノシシ肉)料理講習会』を厨房機器メーカーホシザキ関東株式会社(千葉市)のテストキッチンで開催した。
 講師が料理コンサルトとしても有名な多田鐸介シェフであることに加え、翌月にはその年の日本の世相を象徴する『今年の一皿』にジビエ料理が選ばれるという時流もあり、大勢の新聞社やテレビ局の取材陣が駆けつけた。講習会に参加したのは、市原市内の飲食店6店舗とイノシシ肉を販売する大多喜町の道の駅たけゆらの里。最初に市原市農林業振興課の木藤課長の挨拶があり、続いて多田シェフが「野生だから独特のくせや臭いがあるため、ハーブやスパイス、ワインなどで風味をつける。飼育された肉とは違い脂肪分が少ないため、加熱し過ぎると固くなる」等、レジュメの説明をし講習会が始まった。
 たけゆらの里から提供されたイノシシ肉を、食材の殺菌や旨味を逃がさないように、そして調理を簡素化する電解水装置や真空包装機、スチームコンベクションオーブン、ブラストチラーなどの機器を使い、赤ワイン煮込みやビール煮込み、チャーシュー、ハム仕立て、ローストなど6種類の料理を作った。
 参加者は皆、熱心に調理を見学し、多田シェフのワンポイントアドバイスをメモするなどしていた。試食会では、「お茶の葉を使ったローストも良かった」、「箸で崩れる柔らかさ」、「臭みがない」等の声が聞かれた。脂肪が少なく栄養価も高いジビエ料理。地元で気軽に食べられる日は近いかも。

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