季節のスケッチ

俳画と文 松下佳紀

日向ぼっこをしていたら、亡くなって久しい父の句を思い出した。《日向ぼこ身じろぎだけが音である》これは、まだ若かった父が、当時の俳句界の新しい潮流に乗っての口語調の作だ▼私の手元に父の遺した毛筆書きの句集がある。百九十二句収められているが、今の私から見てもなかなかの出来ばえだ。▼私も俳句に熱中して長い。が、父に感化されたのではない。つまらないことで、私は十八歳の時、父といさかい、家をとび出したからだ。以後、断絶したわけではなく、父の最晩年には同居し、介護もした。その間も俳句の話しはしなかった▼そんな親子であったが、今にして思えば、俳句の血脈がどこかでつながり、否応なく分け合っていたのは確かだ。

●松下佳紀
 昭和15年市川市生。東洋美術夜間グラフィックデザイン科卒。昭和39年新宿画廊で第1回個展。6カ月間の自転車日本1周スケッチ旅行の後、各地で個展、2人展、グループ展などを開催。イラストレーション、子どもの絵本、オリジナル俳画、陶芸などを手がける画家。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】『音楽堂in市原《私の十八番》ガラコンサート』にて。ヴァィオリン・川井郁子さん、ピアノ・熊本マリさん  市原市市制…
  2. ホソミオツネントンボ(越冬中)  日本では200種ほどのトンボが生息しているとされています。主に、春から秋に観察でき、身近…
  3. 【写真】いちはらフィールドマップ巡り・市原にて  市原市姉崎在住の石黒修一さん(76)は、『地域を知り・守り・愛する』とい…
  4.  近年、湾岸沿いの工場夜景が注目され、ナイトクルーズが運航されるほどになっていますが、多くの石油・化学工場が林立する市原市の五井・姉崎海岸付…
  5. 【写真】ダリア花(茂原市立美術館蔵)  2月14日(水)~3月24日(日)、茂原市立美術館で、千葉県誕生150周年記念事業…
  6.  今回は、自分の好きなベストスリーに入る監督を取り上げます。読者の方々には、作品は知っているけれど、監督には馴染みがない、という方もいらっし…
  7.  今回と次回で、未来の話をしたいと思います。今世紀の中頃までに世界の人口は100億人を超えると言われています。気候変動により農作物の生産がま…
  8. 【写真】人々に語りかける中村医師 写真提供:PMS(平和医療団・日本)  昨年11月25日、ちはら台コミュニティセンター(…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】『音楽堂in市原《私の十八番》ガラコンサート』にて。ヴァィオリン・川井郁子さん、ピアノ・熊本マリさん  市原市市制…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る